夢想の針鼠の夢跡

物語に隠されたもう1つの物語 『過ち』を知る物語

不明記録集

日記ノ二十五ノ巻~???

軋む。軋んで体が動かない。動けない。動かねば。動け。動け・・・ああ、ようやく動かせた。そうですよ、そうすれば良いのですよ。ああ私は幸せでございます。貴方様がようやくその気になったのですから。 そうと決まれば、貴方様は早速儀式をしてもらわねば…

『ε、製造データ5』

~Heroes calendar 54 years~ 「転生って面倒だよ、だって術を用意しなきゃいけないんでしょ?しかも、その転生後の記憶もあやふやでさ。もしその後の子が嫌だって思ってしまえば、御終いだし。それでも、転生するの?」 老いぼれの女性にそう尋ねてみると…

『ε、製造データ4』

結論から言えば、逃げた先にあったのは、訳の分からない出来事だった。もうこうなってしまった以上、私は相手を頼らざるを得なくなっていた。 「貴方がほつれた所を誰が直しているんだと思っているの?」 まあそういう意見があっても私はただ謝るしか無かっ…

『ε、製造データ3』

「良いから黙ってくれないかな?自分だってこんな事したくないんだぞ?何故こんな事をしてまで貴方は忠誠を誓うのかな?」 「笑ってくれるその姿が一番の至福。貴方だって至福を奪われるのは嫌でしょ?」 「じゃあそうやって横たわる人を見て、彼奴が喜ぶの…

『ε、製造データ2』

行方知らずになっていたあの人が帰ってきた。今日も微笑みながら、何かを抱えている。 「終わりましたよ」 そう言うと、それを近くの机に置いた。俺がそれを覗くと、それが何かが分かった。誰かのタオルと、メモリだ。メモリの奴は俺が手に入れて欲しいとお…

『ε、製造データ1』

「研究データは解析出来たか」 「・・・ああ、一応出来たぞ」 ふと奴の身体を見る。麻酔や睡眠薬を飲まされた為に、今は昏睡状態になっている。今から、この身体の中に『生命』を宿す実験をする訳なのだが・・・。 「ただ、これ、本当に良いのか?これ下手し…

At the library

その本を見つめている時の貴方は輝いている。それは間違いなく俺が感じていたやつの類であろう。「お前はいつも本に囲まれているよな。・・・俺がこうして訪れても止めないのだな」「・・・開館前にどうしたのです?」開館前、というのもあって此処は俺と貴…

Former associates

「これは昔のお話。 君は知っているよね?紅月の悲劇。 この悲劇に携わっていた人のお話だよ。 その子は元々人間だったんだよ。 でもとある事を理由に、何万年も生きる事になったんだ。 そして、その子はとある人と友達になったんだ。 ・・・その友達は病気…

???

「あのさ」 「?」 「思ったんだけどさ・・・こんな事して怒られないかな?」 「貴方の為に行っている行動なんだ、貴方がそんな事考えるなら戻っても良いんだよ?」 「・・・」 「貴方が此処に留まるのだと言うのなら、そうすれば良い。此処は壊しても構わな…

異変の始めの始め

珍しく此処に雪が降っている。それもあってか、少し寒かった。俺にとっては雪国生まれだったというのもあり、そう感じる事は此処では無かったのだが。南、しかも暖流が流れている此処で雪が降るのは大変珍しい事なのである。 当然此処の周りの人達は「大変だ…

とある日の出来事。

注意 ・番外編です。 ・少し腐向け ==================== 今日は珍しく彼女が散歩している。その隣には誰かがいた様だが、俺にはさほど関係無い様だった。 ハロウィンだから、と言われて無理矢理着させられたが・・・正直これもまあ良い…

Blockade of emotions of the murderous

1 0年 「逃げられたぞ!!追え!!」 獲物の声がこの森に木霊し、冷気が頬に伝っていく。そして連れている軍団を私の横を通り過ぎていく。30秒後には辺はしんと静かになる。 (・・・フフ、まだまだ) 日はまだ昇らない。・・・いや、昇ってもまた彷徨うから…

???

とある国が一つ滅んだ。 そして、その代わりとなる国が一つ生まれた。 此処最近の出来事だ。 誰も、分かっていないだろう。 元々その代わりの国が、『代理』である事を・・・。 相変わらず、この世界は愚か者ばかりだ。 我が教えた事を直ぐに真似て、新たな…

Me and my

・・・今いるのが、私で、ワタシは眠っている。 私がこうして行動していられるのは限度がある。精神だけだったら、余り疲れを感じないんだけどね。でも、精神だけ彷徨う様になると、いずれ消滅するなり、天界の使者に連れてかれたりする。ー既に死んでいると…

一時の安眠に・・・~Parallel ending

目の前にいる貴方は微笑む。 それは、貴方なのかは分からないけれど。 「ー此処が私が求めた事なんだ」 笑う貴方は眩しく見えたんだ。 平凡な生活の中で、様々な波乱が起こってさ、こうして真剣に顔を合わせた事は無かったかもね。 でも、それで良いんだと私…

不明記録~Una spirale di negativo

英雄歴100年 「ふむ・・・此処はこうすれば、こうなるのか」 今日は珍しく私の主が勉強をしている。いや、最初はそう思ったが、よくよく見ればこれは魔術の研究をしている様だ。周りにはそのメモらしきモノが沢山落ちていたり、貼られていたり、置いていたり…

全テノ始マリ

レヴィアーデンは、昔々栄えた国で此処では初の魔導王国であった。レヴィアーデンは元々はレヴィアエデンと呼ばれていた。楽園えと続く国、神聖なる場所であると現在ではそう伝えられているが、実際の所はレヴィアタンと呼ばれる海の怪物(他の書物では悪魔…

犠牲となったモノ~World wanted

空間世界に事柄を並べる。そしてその事柄の内容に誤りが無いか確認をし、あった場合は修正する。そして、それが終了したら僕はこの空間世界を飾り、その後再び『世界』を創る事となる。 僕はそんな事を繰り返し行っていた。相方であるシルバーと共に。 過ち…

正体の目~The identity of the white child 後編

mental space(精神空間) 「・・・。」久々にこの空間に来た気がする。此処に行ったのはどれくらい前だったか。忘れてしまった。しかし、此処なら居ても疲れないし、むしろ疲労回復には丁度良い。・・・まあ、此処にいれば誰からも見られないというのが欠点…

正体の目~The identity of the white child 中編

ウォイスが出てくれないかと言って、3時間程経つ。未だに会話しているらしい。幸い、ガラルの肉体は出ていた為に、ガナールはガラルに縛られなくなっていた。 「・・・全く~。急にガラルって子が割り込んで来たから驚いちゃった」 「まあ、それを知らない私…

正体の目~The identity of the white child 前編

手に腕、胸に背、首や顔。様々な所に管が幾つもある。 そしてその管の集まりは巨大な丸い筒にある訳なのだが、その筒は密閉空間であり、その中に赤い『液』がある。 その中に眠っているのは白い子。 その白い子は微かに目を開いた。そして、その筒を割ろうと…

従者の見たセカイ~Passato crudele di scudiero

あの方の為ならば、何をしても構わない。それが例え、誰もがやりたくなかったとしても。今まで、そうやって生きてきた。 とある者が非を唱えようが、私は構わなかった。だから、私は基本嫌われていた。 唯一、相手をしてくれたのはあの人だった。あの人は私…

Inizio della follia

『不明記録~Inizio della follia』の続きです。 *********** ???(年代不明) 誰も此処に呼ぶ事なんて出来る訳無いと私を嘲り笑った。そんなの分かっているさ。大切なあの人を生き返らせる事なんて、出来る訳でもない。でも、私は絶対にあの…

不明記録~Various people's thoughts

「ハァ・・・ハァ」 少年よ、何故絶望しか無い世界を受けいらないのだ? 「ー決まっているだろ、私は此処から出たい・・・出ないといけないんだ!!」 出る訳にはいかないよ。 「どうして・・・?」 ・・・ウォイス様の命令だから。 「貴様!!」 無駄だよ、…

『夢』と『現実』を司るモノの切実な願い。

夢に抱かれている俺は、現実を彷徨う。 最初の記憶を司ってみても、結構時が経っているのが実感出来る。 もう何年経つのだろうか?・・・あの異変、あの事件から。記憶が遠くなる程、俺の中に眠る、闇か光か分からない何かが込み上げてくるのだ。純情なる心…

無題~Aumentare gradualmente il

日に日に増える予定です。 *********** Day eyes 「やっ!!今日もいい天気だな~!!」 「・・・そうだな」 「もう~、もう少しノリを上げたらどうだ??ほら笑って笑って!!」 「・・・何であの時僕を助けたの?英雄だからって、あれは」 「理…

不明記録~Inizio della follia

英雄歴100年ー真実と矛盾の狭間 貴方が望む結末。 私が望む結末。 君が望む結末。 黒幕が望む結末。 お前が望む結末。 誰もが望む結末が一緒な訳が無い。 選択肢なんて幾らでもあるモノだ。 そして皆自身が望む結末へ導こうとする。 無論、私もそうだ。 でも…

無題~Controlling emotions

私はあの時に来た時は魅力に溢れた街だった。探し彷徨う放浪の旅の中で見つけた希望。もしかしたらこれが私が夢見る世界だったのかもしれないと思った。全てを包む、白くて儚い光。人々が笑い合う日常。私が思い描いた世界に似ていた。 真実を知った私は、今…

???

こんなんだったら、いっそ捨てれば良いんじゃない?そんな声が聞こえる。 「煩いなぁ」 軽くそう言うものの、私がそんな簡単に君を切り離す事など出来なかった。私が分かっている範囲はとても小さかった。目覚めた時には私に似た印象を持つ君がいたんだ。い…

再開収録本~Demande d'ami

「お前は一体何者だ?」 そんな事言われ続け、どれくらい経ったのだろうか?友人は皆朽ちていくが、私は全く朽ちた感覚も無かった。友人はこれを「目的の為にこうなったんだね、可哀想だな」と言っていた。いつの間にか友人は成長していて、私よりも大人っぽ…

様々な事件が沢山続き、遂には心髄にまで及んで行って、己の中でそれを重く、鋭く貫くのだ。 嘘だらけの世界で信じる事が出来るのは、己自身ただ一人。痛い思いとかしても良いんだ、嘘をつくのはもうこれで最後にしよう。だからお願い。早ク逃ゲテ。