夢想の針鼠の夢跡

物語に隠されたもう1つの物語 『過ち』を知る物語

夢想の闇夜

不明記録~Una spirale di negativo

英雄歴100年 「ふむ・・・此処はこうすれば、こうなるのか」 今日は珍しく私の主が勉強をしている。いや、最初はそう思ったが、よくよく見ればこれは魔術の研究をしている様だ。周りにはそのメモらしきモノが沢山落ちていたり、貼られていたり、置いていたり…

全テノ始マリ

レヴィアーデンは、昔々栄えた国で此処では初の魔導王国であった。レヴィアーデンは元々はレヴィアエデンと呼ばれていた。楽園えと続く国、神聖なる場所であると現在ではそう伝えられているが、実際の所はレヴィアタンと呼ばれる海の怪物(他の書物では悪魔…

日記の八の巻~Moon's troubles

「ふーん、月って簡単に欠ける事出来るのね」 シルフィはそう言って、月を見上げていた。俺からすればその月は満月なのだが、彼女からすればその月は三日月なのだろう。 無理も無い。俺はあの時、月を欠けさせたのだから。実際にそうなっているのでは無い。…

日記の三の巻~Nuit d'orage

闇と光は反対の意味を持つ。しかし、人によっては闇が光に、あるいはその逆になる場合がある。例えば、今日の天気が晴れだったとしよう。運動会等をやる場合は『喜び』を表せるが、長く続く晴天の場合、農家達が『困った』という感情を生むだろう。あるいは…

日記の二の巻~Mortal sin

さて、『私』が言った事を整えた所で、『ワタシ』の結論・・・というよりかは推理だけども・・・それを言おうかな。 『ワタシ』だと『私』とごちゃごちゃになっちゃうから、以後『ワタシ』はアイと言っておこうかな。 私は同一人物であり、他人でもある。そ…

日記の一の巻~My conclusion

今日も一日が終わり、今日も月がこの闇を照らすだろう。 図々しいあの声も、夜になると収まり、いつも賑やかな市場は誰もいなくなる。 そんな時間が、私にとっては狂気を仰ぐ事となるのだ。 音が消えてしまって、光も見えず、独りぼっちの世界が目の前にある…

正体の目~The identity of the white child 中編

ウォイスが出てくれないかと言って、3時間程経つ。未だに会話しているらしい。幸い、ガラルの肉体は出ていた為に、ガナールはガラルに縛られなくなっていた。 「・・・全く~。急にガラルって子が割り込んで来たから驚いちゃった」 「まあ、それを知らない私…

正体の目~The identity of the white child 前編

手に腕、胸に背、首や顔。様々な所に管が幾つもある。 そしてその管の集まりは巨大な丸い筒にある訳なのだが、その筒は密閉空間であり、その中に赤い『液』がある。 その中に眠っているのは白い子。 その白い子は微かに目を開いた。そして、その筒を割ろうと…

従者の見たセカイ~Passato crudele di scudiero

あの方の為ならば、何をしても構わない。それが例え、誰もがやりたくなかったとしても。今まで、そうやって生きてきた。 とある者が非を唱えようが、私は構わなかった。だから、私は基本嫌われていた。 唯一、相手をしてくれたのはあの人だった。あの人は私…

Inizio della follia

『不明記録~Inizio della follia』の続きです。 *********** ???(年代不明) 誰も此処に呼ぶ事なんて出来る訳無いと私を嘲り笑った。そんなの分かっているさ。大切なあの人を生き返らせる事なんて、出来る訳でもない。でも、私は絶対にあの…

『夢』と『現実』を司るモノの切実な願い。

夢に抱かれている俺は、現実を彷徨う。 最初の記憶を司ってみても、結構時が経っているのが実感出来る。 もう何年経つのだろうか?・・・あの異変、あの事件から。記憶が遠くなる程、俺の中に眠る、闇か光か分からない何かが込み上げてくるのだ。純情なる心…

無題~Aumentare gradualmente il

日に日に増える予定です。 *********** Day eyes 「やっ!!今日もいい天気だな~!!」 「・・・そうだな」 「もう~、もう少しノリを上げたらどうだ??ほら笑って笑って!!」 「・・・何であの時僕を助けたの?英雄だからって、あれは」 「理…

夢想の闇夜 第3幕 1章 少女鈴吹雪~to know the past (しょうじょりんすいせつ)

1つの過去を思い描く。私の過去は結構古い。というのも私は元々『人間』では無かった。寿命も当然長かったから、その分過去を多く持っているんだ。君からすれば大した事では無いかもしれないけれどね。そう、私がどうして『人間』になったか。そこら辺説明し…

不明記録~The warding magic

君の声が聞こえる。笑顔で笑う。俺は種の気配を感じていた。 俺の役目は『種』を目覚めさない事。 壊しても良かったのだが、俺はそんな簡単には壊さない。壊したくない。 今夜、君の記憶を『全て』取って偽りの記憶を植え付ける作業を行う。この範囲は君を知…

無題

『それ』を作るのなら何かを失う必要があった。 私はそれを理解するのには無理があった。時間と共に『それ』は消えてゆく。 私は探さないとならない。だからやる必要があるのだ。 『それ』がそんな事を知る由など何処にも無い。 それを知っている人など何処…

夢想の闇夜 第2~3幕 0.5章 Along with the sound playing~奏でる音色と共に

英雄歴100年 ??? ??? 遠い遠い過去の話をしようか。星が沢山輝く夜空に下弦の月が照らすこんな風景なら、こんな過去を話した方が雰囲気が良いから。 思い出してみて。君は昔々こんな事をしていたとー。 ・・・君は思い浮かべた?僕?僕はそんなに良い…

夢想の闇夜 第2幕 3章 3つの意識~Good will and malicious

この姿を維持するには、本当の不老不死になる必要がある。我が手に入れた不老不死はどちらかというと老いて死ぬ事は無いくらいで、ナイフか何かで無理矢理殺すのは出来る。しかし、我には役目がある。この魔学の黒歴史を守る役目が・・・。だから、死んでは…

夢想の闇夜 第2幕 2章 実験結果

さあ、始めようか。あちらは『魔術』の世界。こっちは『科学』の世界。 これを機に両方混ざり合わせれば新たな力が生まれるだろうー。 所詮、人間は全てに白黒付けたがる。善悪の様に。誰もが完璧な世界を心見たいのだ。 *********** フォルカ ?…

キャラのプロフィール・用語、場所説明集

物語に出てくる者・何処に属するかなどの設定を入れたオリソニ紹介です。尚、一部オリジナルの設定が出ている公式キャラも書いておきます。 重要人物はこちらへどうぞ↓ 『http://suzu0123.hatenablog.com/entry/2014/03/10/231653』 お借りしている人物はこ…

夢想の闇夜 第2幕 1章 科学と魔学

第2幕 理性を封じる者 俺はあの時に様々な事件を見た。悲しみに囚われた俺は目の前で最愛の妹を殺されたのを見てしまった。・・・でもその先の事は覚えていない。気が付けば、そこには俺以外生の気配を感じず、皆安らかに倒れて眠っていた。覚えていないが最…

夢想の闇夜 第1幕 5章 全ての原点

??? ウォイス 「・・・はぐれてしまったか」 谷の奥深く、俺達は迷子となっていた。 ただ、ドゥームが近くいた事が不幸中の幸いだろうか。 「ドゥーム、大丈夫か?」 「痛・・・。ちくしょー・・・」 「一応出来る限りの回復をしておくが・・・」 ドゥー…

不明記録~The way of the flowering plant

ぽつぽつと 雨ガ降ル。 言葉だけでは伝わりキレナイオト。 寂シイ。 イマ、我の前ニ君がイる。アあ、いルトも。彼ガ望んデイたモの。 そレをヤつによっテ・・・。ユっクり朽ちてユく。 ・・・モし、我ノ声が聞こえルのなラ、言っテ欲シい。 「彼は、ソ・・・…

夢想の闇夜 第1幕 第4章 ミルゥームの王子様

注意書きは省略します。 *********** あれらは結構前だったから覚えてない。 当時、彼には理解するのは幼すぎたのだ。だから・・・。 もしかしたら少し早く生まれていれば、あるいは出来たのかもしれない。 でも過去に過ぎた事なのだから・・・。…

夢想の闇夜 第1幕 3章 1つ目の悲しみ

・赤月に出てくるオリソニの過去です。 ・一部本編に関連します。 *********** コテンアの街 ウォイス 「・・・?」 「ようやく目覚めたか。」 「王・・・?父・・・?」 目の前は見覚えの無い部屋。上にはカーテンがあった。ああ、此処は病院か…

夢想の闇夜 第1幕 2章 悪魔の囁き

注意 ・ネタバレ注意。 ・『幻想の赤月』と関係があります *********** ・・・王にも伝わった。そして約束してくれた。『誕生祭の終盤にやってあげよう』と。それは期待だった。壮大なる王が引き受けてくれるのは嬉しかった。その時は戻ってくれ…

夢想の闇夜 第1幕 1章  王の誕生祭

注意 ・ネタバレ注意です。 ・幻想の紅月などに関連しています。 *********** 彼は不思議な人物だった。 俺に魔導師の道を与えてくれた壮大なる人だった。 それと同時に誰もが認める魔導師だった。 それが奴によって破滅の道に歩む事となるなんて…

様々な事件が沢山続き、遂には心髄にまで及んで行って、己の中でそれを重く、鋭く貫くのだ。 嘘だらけの世界で信じる事が出来るのは、己自身ただ一人。痛い思いとかしても良いんだ、嘘をつくのはもうこれで最後にしよう。だからお願い。早ク逃ゲテ。