夢想の針鼠の夢跡

物語に隠されたもう1つの物語 『過ち』を知る物語

幻想の赤月

幻想の赤月 2-09章 Tears shed somebody scream

The 6th day???にて 「・・・っ」目が覚めた時、見覚えのない天井が見えた。ふかふかのベッドの中に包まれて眠っていたらしいが、そもそもあの環境の中でこんな場所に行き着けるとは到底思えない。・・・もしかして、見る影も無くしてしまう程の様変わり…

幻想の赤月 2-08章 Apollo

「大変です、紅月様!!ウォイスが、ウォイスが・・・ぐあぁぁ・・・」通信機から下僕の悲鳴が聞こえる。外では剣と剣が交差するあの忌まわしい音が鳴り響く。単身で奴は大群に突っ込んだ。普通ならば無茶すぎる行為であったし、我も「ついに狂ったか」と思…

幻想の赤月 2-07章 moon

~??年後~ 私はかつてこの光景を見た事があった。そう、あの時に私は確かに壊した筈だった。壊したら、とても気分が良くなった。一生辛い事は無いんだってその時は思っていた。本気だった。でも、実際の所は只の空虚でしかなかった事を今ようやく知った。…

幻想の赤月 2-06章 a venom fang

今日は雨が降っていた。そんな中でも彼の呪いは溶ける事なく、強まっていくのだ。満月にならない時でも、この状況ならなりえる状況である。しとしとと降る雨の中、彼らは不気味な空気と迫り来る恐怖を感じ取りながらも、この日はやってくる。 貴方が望んだ月…

幻想の赤月 2-05章 Identification

「ウォイスという名を久々に聞きましたよ。元気にしていらっしゃいます?」「ええ、勿論です。失礼ですが、あの方とのご関係はどうなのですか?」「元仕事仲間と言った所でしょうか。・・・王宮に住む前は教師をしていたのですよ」私は今、ウォイス様に関し…

幻想の赤月 2-04章 Bat cage

「・・・ようやく着いたぜ。カオスエメラルドの反応も全く無かったな」俺がそう口ずさむと、彼らは先の灯りを見た。此処は宗教都市で有名なアポトスである。宗教的な意味では聖地とされている事が多く、此処の人々は特定の日に祈りを捧げているらしい。此処…

幻想の赤月 2-03章 Scream

端末のインプット完了まであと20%。これが終われば、次はその周辺の端末をハッキング、情報を得る算段である。勿論、それまでに出てくる敵は一匹残らず排除する。当然のことだ。ほくそ笑んでいるのは何処の人間だ?「人間だの機械だのでどうこう言う辺、生…

幻想の赤月 2-02章 Floating

夜中 「ちゃんと一人やっつけましたよ。・・・残念ながらそれは中心ではありませんでしたけど」「・・・本当にやったんだな、やはり凄いよ、お前は。僅か一日でそれを成し遂げるとは。心は痛まないのか?」「まさか。そうしたのは他でもない、貴方様ではない…

幻想の赤月 2-01章 Justice is sometimes become evil

『訂正 朝になって気付いた事なのだが、カオスエメラルドの所在が分かっていたのは2個だ。だから、32日を5個分集めなくてはならない。最も、カオスエメラルドのみでどうにかなる様な問題では無いのだろうが・・・。とにかく、本当にすまない。謝罪とは言うの…

幻想の赤月 1-06章 improvement

==================== 「あとどれくらいだ?」「500m、400、300、200・・・もうすぐで100mになるぜ」「皆が無事だといいんですけど・・・」不安気になっていたシェイドを横に、前に進む。報告が正しければ、僕達以外の相手は殆ど機能し…

幻想の赤月 1-05章 Manifestation of madness

=============== 発砲というと、身を守る為に撃ったか、或いは何を壊す為に撃ったかの二択になるだろう。 それどころか、それは何に対しても同じなのではなかろうか。例えば、その嘘が身の周りにどう影響及ぼすのだろうか、と考えたとしたら…

幻想の赤月 1-04章 People who read mind

行こう、そう努力はしたつもりだ。だが、これはもうそれどころじゃない。ルージュが気遣って同行してもらったが、正直二人で押さえつけても漏れてしまう位の量だった。あれがうようよいて、行くどころか先を見る事すらままならない。ルージュも相当驚いてい…

幻想の赤月 1-03章 core

破裂音は全体に響き渡った。「誰だ!?」「・・・やっぱり」見覚えのある顔が映る。声、警戒しているその顔も何もかもが似ている。やっぱり、彼らが爆発させた様だ。目的が何かは私の知ったこっちゃないのだが。ただ、明らかに変ではある。以前までは、彼ら…

幻想の赤月 1-02章  蟠りがある中で

「さてと、とりあえず周りを見るか!!」「「はーい・・・」」シルバーが目を輝いている姿が眩しすぎて直視出来ない。二人は彼のテンションに振り回されてもう既にヘトヘトだ。 現在1時40分。―変化開始まであと4時間ちょっとだ。 「もう寝てよーぜ・・・」「…

幻想の赤月 1-01章 Music for marching

episode 1 People who seek their prey ソニックからすればこんなの退屈で仕方ないのだろうと思っていたが、そうでも無かった様だ。彼は様々な所で興味を示し、笑っていた。草の中、岩の中を探し回っては、不思議な事はどんどん吸収されていく様だった。これ…

幻想の赤月 0-04章 Watch, interfere with the

=============== シェイドが鴉は追い払ったと言ってから約7時間経過して、もうまもらく2時になろうとした時、シルバーはようやく目が覚めた。それまでは俺やシェイド、ソニックが交代で探したが、結局は分からないままだった。・・・ただシル…

幻想の赤月 0-03章 誰かの声

================== 眠れない。周りの音がノイズになって全く寝れない。はっきり言うと、邪魔だ。かと言って大声で煩いと言うと周りがどうこう言うのだろうし・・・。「煩いな、もうっ!!」苛立ちが止まらない。窓を開けて大声で叫ぼうと…

At the library

その本を見つめている時の貴方は輝いている。それは間違いなく俺が感じていたやつの類であろう。「お前はいつも本に囲まれているよな。・・・俺がこうして訪れても止めないのだな」「・・・開館前にどうしたのです?」開館前、というのもあって此処は俺と貴…

幻想の赤月 0-02章 Onslaught

「エメラルドを探せって言われてもな・・・持ってない以上、反応が分からないな・・・」何となくで見つかったらそれはもう素晴らしい事なのだが、流石にそう簡単に見つかる訳ではない様だ。3時間、街のあちらこちらを見渡しては其処に行って探したが、無駄だ…

幻想の赤月  0-01章 Beginning of the ruin

The 1st day 「~♪」 水を育てていると、作物は大きく育っていく。何の作物は分からないが、育てれば食べられる。美味しいと思うから、育てているのだ。 この作物は友人から貰った物であり、育てている。・・・冬だが、冬に収穫する物もあると聞いて俺は目を…

幻想の赤月 0章 Start

~紅月サイド~ 「紅月様の仰る通りでございます!!従わない者は全て抹殺すれば良いのです!!」 紅月はこの景色を眺め、誓った。『此処を無にしてやる』と。あの過去を断ち切り、全てを作り直すのだ。彼奴の縁を断ち切る為にも、これを成し遂げる。 7年間…

幻想の赤月 -14章 Compensatory ability

『代償』。何かを得る為に、何かを失う。 とある魔導師は永遠を手に入れ、家族を失った。 とある子は力を手に入れ、栄誉を失った。 英雄は名を手に入れ、命を失った。 私は大事なモノを引き換えに、此処と****を手に入れた。 この世界に平穏な日々を送ら…

異変の始めの始め

珍しく此処に雪が降っている。それもあってか、少し寒かった。俺にとっては雪国生まれだったというのもあり、そう感じる事は此処では無かったのだが。南、しかも暖流が流れている此処で雪が降るのは大変珍しい事なのである。 当然此処の周りの人達は「大変だ…

幻想の赤月 -13章 思考のすれ違い

ウォイスがシャドウとルファーを現場に送らせようとしている頃、シルバーは黒い化物と応戦していた。彼はとても鋭い木の枝を覚醒させ、身体を貫かす程の力を得た木の枝は彼の本来の力、サイコキネシスで黒い化物の足首を狙い投げていた。 「・・・少しはこれ…

日記ノ十七ノ巻~Victim

『神信ずる者、全てにおいて此処に落ちて逝く 罪を認めれし者、清水を飲み罪滅ぼしを得る 地獄と天国の安静を保つ為に犠牲を捧げるのだ』 古き信書には、その様な言葉が書かれていた。 この書物がまさか実在していたと気づいた時、既に遅かった。その精神は…

Blockade of emotions of the murderous

1 0年 「逃げられたぞ!!追え!!」 獲物の声がこの森に木霊し、冷気が頬に伝っていく。そして連れている軍団を私の横を通り過ぎていく。30秒後には辺はしんと静かになる。 (・・・フフ、まだまだ) 日はまだ昇らない。・・・いや、昇ってもまた彷徨うから…

日記ノ十六ノ巻~Residenti delle tenebre

「うげっ・・・不気味だな」 「僕らも封印する量を見ただろう、これくらいは当然だ。・・・むしろ半減したか?」 「そうだが・・・・・・それでこの量は、ちょっと不気味だ。反撃される可能性は無いんだろ?」 『それは無いよ、この中の人達は行動はある程度…

日記ノ十四ノ巻~Al mio amore

この世界は悲しい世界だ。この草原はそれが痛い程分かるんだ。 誰もが嫌うあの悲鳴と、剣がぶつかる音が聞こえる。 嗚呼、この世界は何も変わってない。 我侭づくしの人達が醜い戦いをしているよ。貴方は其れをどう見るんだろうね? 蒼い花と紅い花、どっち…

幻想の赤月 -12章 かつての英雄ら

ウォイス アファレイド王宮 アファレイドはいつもと変わらず、広場では会話して、買い物をしている声が響き渡っていた。俺達は、ルナの所へ、行こうとした。 が、此処で問題があった。 何でも、昨日の夜にあの人が引きこもっていた図書館で騒ぎがあったとか…

日記ノ十三ノ巻~Scream

「どうしてこうなったの・・・」 「嘘つくな。貴様がやったのだろうに」 「私が?どうして・・・?」 「覚えてない・・・?どういう事だ」 「分からない・・・分からないよ。助けてよ、君が全てを・・・アア、助けてよ、私を」 「助けて・・・?人殺しをした…

様々な事件が沢山続き、遂には心髄にまで及んで行って、己の中でそれを重く、鋭く貫くのだ。 嘘だらけの世界で信じる事が出来るのは、己自身ただ一人。痛い思いとかしても良いんだ、嘘をつくのはもうこれで最後にしよう。だからお願い。早ク逃ゲテ。