夢想の針鼠の夢跡

物語に隠されたもう1つの物語 『過ち』を知る物語

幻想の赤月 2章 操られていく恐怖

・1章の続きです。分からない人は1章をどうぞ。

うごメモの黒羽sの派生作品です。許可も得ています。

・貸してくれる作者様方に感謝しています。

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「にゃー。」

「うわっ!!何だ何だ!?」

「えへへ~。ちょっとやってみたかったから」

「やめてくれ!! !?ちょ・・・」

「お前ら・・・いい加減にしろ」

「あー・・・そもそも何故お前らがいるんだ??」

「説明するとな」

ウォイスが説明を始めた。

*********

あれは大体昨日・・・厳密に言えば、今日の午前1時半の事だ。

俺・・・厳密には満月姿の俺はシャオンを寝所に連れて行った後、神殿内で見回りに行っていた。見知らぬ者が神殿内で眠っているからだ。

「・・・?アレ?彼らがいない・・・・」

俺はシアン・シルバーがいない事に気がついた。

気配らしきものが無い。彼らが隠し事しているか、単に眠れないから喋っているかのどちらかと思った。

(・・・怪しいな。探してみるか)

*********

「へっくちん」

「・・・大丈夫か?そもそもよく夜にいられたな」

「何か気配がしたからさ~。いいでしょ?」

・・・かといってパジャマ姿で出てきたのはどうかと思うが。

「・・・そういやさ~。君と一緒になるの初めてじゃない?」

「そういや、そうだな。」

寒いから俺は服を着て寝ていたから外はさほど寒いとは思わかったが、とてもリアンは寒そうにしている。

「・・・よかったら使うか?」

「うん・・・ありがとう」

シアンは上着を着た。その間に俺は月を眺めていた。

「明日には満月になるんだよな・・・ 敵にも魔術が強くなるのか・・・諸刃の剣だな明日は・・・人柱が1人いるって言ってたな。大丈夫かな・・・」

「?独り言?」

「あ、ゴメンな。・・・あ」

「・・・こんな所で何をしているんだ?お前ら」

「ウォイスさん!!」

「気配がしたっていうから出てきたんだ。何かな」

「かといって、出ていくとー」

ガサガサという音が響いた。

「誰だ!!」

「・・・ハァー。ようやくたどり着いたぜ・・・」

「終わったぞ。とりあえず一通り倒してきた」

ソニック達が帰ってきた。・・・結構傷だらけの様な気がするが・・・。

「お疲れ様。・・・アレ?」

俺は彼の気配に違和感があった。

「・・・何故エメラルドがあるんだ?悪いが俺が全部持っているぞ?」

「えーと・・・ お前の奴が偽物なんだよ」

「・・・いい加減にしろ!!この偽物がっ!!!!」

嘘ついた。俺を見なかった。後ろで手を動かしていた。右目で見ていた。

嘘付く時の体型だ!!!!

先手を取れた。相当な力を出したので、骨は逝かなくとも確実に息がしづらくなっただろう。

「・・・っぐ。何故俺を殴るんだ?」

それで味方を呼び寄せる気だ。

「俺さ、見たんだよ。 お前が姿を変える事、彼が倒れている事。何故か?簡単だよ・・・。 実際そこにいたんだし。」

抵抗しても無駄。俺は右手を押す感覚で動かす。

「・・・実際、お前の場合魔術じゃなくて、格闘系だろ??俺に抗う事は出来ないと思うぜ?? ・・・サイコループエヴァ!!」

・・・シアン、シャオンは驚きからか、動かない。ウォイスは? 満月姿だから好戦的な性格なのだが、このままやっておいてくれ と言いたい様な顔をしていた。

ならば、遠慮はいらない。

 

偽物のソニックは幻術で前が見えない。エメラルドは5つ。残り2つは誰が持っているのかというと・・・。

「・・・ぐっ!!離せ!!」

「・・・このソニックさん、何か様子が変ですね」

「偽物だよ。ウォイス、今の内に転送魔術をしてくれ。」

「了解。どうせだから記憶を取ってしまうか・・・。」

といっている最中に本物のソニック・シャドウが瞬間移動してきた。

「よう!!・・・っていうか、誰だ!?」

「フン、フェイクの存在か・・・」

「そうだ。ウォイスが片付いてくれるからちょっとどいてくれ」

「・・・消去。」

*********

「という訳なんだよ。」

「だからって急に入ると困るよ、ソニック~」

「ゴメンゴメン。だがとりあえず屋上の敵、片付けたぜ。」

ソニックとテイルスが喋っている最中、シャオンが話しかけられた。

「彼も結構強いんですね、ウォイスさん」

「まぁ・・・ね。奴も結構やってくれたものだな。」

「・・・お前、記憶はあるのか??」

シルバーが唐突に質問を出してきた。

「うーん、微妙って所か?正直二重人格に近いから、記憶が曖昧なんだ。場合によっては1~2日前の出来事が思い出せない時もある」

「・・・それ、普通にヤバいと思うんだが」

怖い思いなど尽きた。お化け屋敷とかで怖い っていう類ではなくての話だ。

「んじゃ、行ってくる。シルバーはここを守れ」

「了解。テイルス達はどうするんだ?」

「基本防御関係の者は館を守っておきたい。当然例外もあるがな」

今日が勝負どころだ。基本攻めで行くつもりだ。

「というと、テイルス達も行かせるという事でいいんだな??」

「そうだ。お前なら出来ると確信しているからな・・・」

「・・・エメラルドはどうするんだ?」

「そんなの決まっているじゃないか!!なぁ、シャドウ!!」

「・・・そうだな。貴様が持っておけ。」

「分かった。くれぐれもやられて来ないでくれよ・・・。んじゃ、行くぞ・・・」

「おう!!こっちもやられるなよ!!」

「カオス!!コントロール!!」

目の前が歪み、気がついたら奴らの森付近にいた。

「・・・流石に5つあると明確に行けるんだな」 というシャドウの声を聞きながら、俺は武器の調整を行なった。

*********

神殿はとても綺麗に仕上がっている。ウォイス曰く歴史では1000万年以上前だと言われているが、実際は約8000年前の神殿らしい。

神殿は普段は彼と亡霊となった元人間界の神で監視してるが、俺はウォイスと同化に近い状態になったので、彼らから見れば人神という神に近い人間(俺はハリネズミだが、人間に近い人物であってもあり、そいゆう事にしておく)なのだ。

「ソニック、シャドウ、テイルス、ブレイズ・・・色々とありがとな」

実際に言えない事だ。こっそりの秘密。

「あ~ら??貴方は死ぬ事を分かっていて言ったのかしら??」

「!?ディア・・・!!」

ディアとは敵だが、関係はというと微妙な所である。

「ウフフ、シルバーなら分かるでしょ??」

「・・・何がだ。」

「貴方なら分かる筈。あの結界で誰か死ぬ事。そして誰かが人柱になる事を。」

「・・・俺が人柱になれ と??」

「合っているわよ。貴方はこの後重要な者になる・・・呪印がその証拠よ」

急にドシッと腕が重くなった。呪印が急に反応したのだ。

(・・・まさか、彼女が呪印を解く者・・・??)

「ねえ、一緒にやらない??あの結界を」

「やめろ・・・やめろよ・・・!!お前が接触すればする程精神が痛むんだよ・・・。・・・これ以上接触すれば、大変な事になる・・・!!」

「アハハハ!!そんなの関係無いんだよ!!呪印自体がお前の覚醒を意味するのだから!!!」

声が遠くなっていく。当然だ。俺は恐怖のあまりに逃げているのだから。

*********

「到着~。お疲れ様でしたー。」

「・・・ソニックさん、ちょっといいですか??」

「?何だ??」

「・・・シャドウさんとウォイスさんがいません」

「えー?待ってろよ・・・ひーふーみー・・・アレ?」

シアン、俺、シャオン・・・。シャドウとウォイスはいない・・・。

「え・・・?はぐれてしまったのですか・・・!?」

シャドウとウォイスは非常に強い事は承知はしているが・・・。

「探すのもいいが、ここは敵の拠点付近だ。まずはここらの基地を破壊する。探すのはその後だ!!!」

万が一、敵などによりバラバラになった場合、結界を貼る魔導師(シアン・シャオン・ウォイスなど)か、カオスエメラルドを操る者(俺・シャドウ・シルバーなど)が指揮を取るようにされている。

「おそらくだが、現在の指揮者はこの通りと思うんだ」

 

拠点付近の基地破壊グループ 指揮者は俺、ソニック。

結界付近の基地破壊グループ 指揮者はウォイス。

森付近の基地破壊グループ 指揮者はシャドウ。

神殿付近の守備グループ 指揮者はシルバー。

以下の通りが指揮者となっている。神殿・拠点付近はハッキリしているが、結界・森付近は場合のよっては逆や別の所という可能性があるが。

 

「ふむふむ・・・僕達は拠点付近ですか・・・」

「おそらくシルバーが仕組んだんだろうな。エメラルドが5つあったから、一度に具体的な所を別々に送らせたと俺は思うぜ・・・。デジタル地図はあるか?」

「ハイ、どうぞ・・・」

「Thanks!・・・やはり間違い無いな。よし」

俺は一歩前に出て、大きく息を吸う。

「俺達は今拠点近くにいる!!拠点付近の基地を確実に落とすぞ!!・・・ただし怪我をした者は回復を優先しろ!!」

「了解!!」

作戦を成功へと導かせるのが俺の役目だ。

(必ずや、成功してみせる・・・!!)

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「・・・奇遇だな、ウォイスと共になるなるとは。」

「あいつ、ミスしたな・・・?」

「いや、間違ってはいない。結界は確か森の奥にあるしな」

森・結界・拠点・神殿をメインに、一気に叩き込む作戦だ。実際、結界は森の奥にある『ロストタワー』の頂上が儀式場所らしい。敵もそこには大勢いる。

「・・・そうか。ソニックは・・・」

「奴らはおそらく拠点近くだ。ウォイス、シルバーに指揮はしたか?」

「・・・いや、全くやってない。彼が勝手にやったんだろう。」

それで数分の間に構成を考えた彼は非常に頭が優れているだろうと思う。

そもそも一気に叩き込む以外、何も考えてなかった。誰が指揮するか、万が一それを受け止められたらどうするか、攻め方はどうするかなど全く決めていなかった。

彼はまず最初に強さに偏りが無い様に指揮者を仕切り、その後、誰がこの役に向いてるかを考え、あのカオスコントロールでそれを4つ(移動したのは3つだが)に分けたという訳だ。普通の人なら難しい事だ。何故か?人数が非常に多いからだ。10人とかだったら楽かもしれないが、10万人程の人を見分けるのはいかがだろうか。

「ロストタワーの道のり・入口はシャドウが、中は俺が指揮しろ という事か。」

「お前、テレパシー使えないのか??」

「・・・シルバー、シャオン、シアンとなら話は出来る。魔力を宿っているからな」

「そうか。なら話が早いな。終わったらお前がテレパシーを使い、3人に知らせろ。場合によっては引き寄せても構わないだろう。」

「分かった・・・」

前に出て、ウォイスは大きな声で言った。

「ロストタワーまで森付近の者と共に戦う!!その後は俺が指揮する!!」

「森付近もロストタワーまで結界組と同じだ!!その後はその時に言おう!!尚、合流時は僕が指揮する!!」

「了解!!」

「足を引っ張るなよ・・・。」

「貴様こそ。」

問題は神殿だ。神殿の守りがやや弱い気がする。いかに早く敵を倒すかが成功の鍵となるだろう。

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「ぐっ・・・」

「さあ、これで動けないわよ・・・」

鎖が邪魔で動けない。鎖は闇から出来ている事自体は腕の感触で分かる。

「せめて教えろよ。何故俺を狙う??」

「そうね。理由を言うならば、呪印のかけらみたいなもの。・・・何それ?と見ているみたいだけどねぇ、ほら精霊を呼ぶ魔術なんてあるじゃない?アレと同じだよ。」

「封印したと同時にお前が生まれた って事か??」

「そう。だから解く鍵にもなれば、いざとなれば貴方を殺す事だって出来る。でも殺せない。光を操る者は殺す事が出来ない。」

「嘘だろ?? そんな事しても無駄だ!!」

彼女の足に目掛け、サイコカッターを仕掛けてみる。

命中だ。急に術が切れたので、一瞬倒れてしまったのが隙だったが、さほど影響が無かった。

「んじゃ、これなら信じる?」

そう言って、彼女は右手を出した。

「どうするつもりだ!!」

俺の質問を無視し、右手を潰す様に握った。

「操られる恐怖・・・貴方なら分かる筈よ・・・・」

心臓が潰される様な感覚がする。激痛だが、声が出ない。何もかもが潰れる感触。息は出来る。でも・・・

「流石にこんな状態になったら・・・ね??」

意識が揺らめく。周りがぼやけて見える。

「どう・・・の? ・・・は・・・・・・んだよ。」

意味が分からない。

そのまま俺は倒れ、意識が無くなった。

「哀れな子。私は貴方の心の影なのにな」という声を聞いて。

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続く。

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視線はテイルス→ウォイス→シルバー→ウォイス→ウォイス→シルバー→ソニック→シャドウ→シルバー です。

次回からソニック編、シャドウ・ウォイス編、シルバー編(?)に分かれるので次回から場所・時間・視線を書きます。

一応現在の状況は、ソニック・シアン・シャオン率いる拠点破壊は作戦開始。ウォイス率いる結界組、シャドウ率いる森補助は同時進行で作戦開始。シルバー率いる神殿は不明です。

キャラ・用語説明

ディア 本名ディア・ダークリント。闇の住民だが、シルバーによく接触する。彼女はシルバーの呪印のかけらだと言い張っているが、真相は・・・??

 

二重空間大結界・・・魔術で新たな世界を作り、結界で封じ込める魔術。世界は時が進む所、時が止まる所に分かれている。闇の住人をここにいれるという作戦らしい。ウォイスは過去に1回唱えたらしいが・・・。

ロストタワー・・・戯言の森の奥にある塔。不思議な魔力があり、儀式や結界を行うのには適してるらしい。

 

3章は7月上旬だと思います。

 

 

様々な事件が沢山続き、遂には心髄にまで及んで行って、己の中でそれを重く、鋭く貫くのだ。 嘘だらけの世界で信じる事が出来るのは、己自身ただ一人。痛い思いとかしても良いんだ、嘘をつくのはもうこれで最後にしよう。だからお願い。早ク逃ゲテ。