夢想の針鼠の夢跡

物語に隠されたもう1つの物語 『過ち』を知る物語

幻想の赤月 4章 The Messenger of light

注意 ・この作品はうごメモの黒羽sのオリソニ漫画派生作品です。

   ・本編を知らない方はそれを見てからこの作品を見るのをお勧めします。

   ・許可は得ています。

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結界・森組 戯言の森 ウォイス

「・・・何故だ?戻ってない・・・」

本来、この術を使えば相手はどんなに断ろうとしても記憶を左右される筈だ。にもかかわらず、彼は何があったんだ?という様な顔をしている。

「・・・まぁ、いいさ。別に構わないよ。取り戻せるのならいつでも構わない。ただ強いて言うならー・・・」

「記憶を失ってしまってる以上、敵味方の判断が出来ないだろうな。連れて行くぞ」

「自己判断ですか!? しかし、神殿内は無防備に・・・」

「・・・どうやらそれで構わないみたいだし」

「・・・みたいだな。シルバー、行けるか??」

彼は全く何を言ってるか分からないだろう。

「ああ、大丈夫・・・大丈夫だ」

何かを言い聞かせている行為をしていたが、何なのだろうか・・・・。

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拠点破壊 ??? ソニック

「睨み合いですね、これじゃ」

シアンがぽつりと吐いた言葉。

「・・・これでは勝負がつきません。一気に叩こうよ、ソニック」

「そうだな。んじゃ行くぜ・・・。後に続け」

「了解。」

1・・・2の・・・3!!

「ソニックウィンド!!」

敵が次々と飛ばされる。その隙に攻撃して欲しい所だ。

「そうですね。では私も活躍させていただきますよ!!」

「ライト・ストーム!!」

エルフーンシルフ!!」

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??? ??? ???

人柱。自制。魔術。結界。犠牲。運命。余地。選択。過去。未来。空想。生死。身体。現実。永遠。幻術。物語。悲鳴。不明。自由。平和。願望。挑戦。正義。善悪。地獄。天国。神様。人類。性格。天空。破滅。・・・・。

俺は何をすれば良いのだろうか??

自由な身体である俺は、きっと魔術で結界の人柱となるんだ。そしてー・・・。

 

「アレを狙う者は誰であれ許さない・・・。俺を狙う者はいなくなれ!!!」

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森・結界組 戯言の森 シャドウ

「何だ・・・。」

「ちょっとした事件の後に何だよ、コレ」

次々と皆が倒れていく。死んだというよりかは気を失っている様にも見える。

唯一僕とウォイスとシルバーは何も無かったが、他は倒れている。不気味だ。

「・・・!!来るぜ!!」

シルバーが指差した所には誰もいなかった。だが、そこには何かを感じる。

「誰だ??ステルスか?見破っているんだよ!!」

攻撃を仕掛けるが、避けられた。どこだ?上・・・下・・・右・・・左・・・前・・・違う。なら・・・

「後ろか!!」

カオスランスを放った。だがそれも避けられる。どちらかというと見破っていた様にも見える。 なら、これを放せば答えが出る。

「カオス・・・ブラスト!!」

「!?ダイヤモンドガード!!」「何だ!?サイコディフェンスガード!!」急に全体攻撃を仕掛けてきたので、二人とも混乱した。

・・・が、予想通りその者は避けた。エメラルドが宙に浮いている。

「・・・何故貴様がここにいる??そもそも貴様、記憶を取り戻した筈だ・・・!!」

「・・・シルバーか??本物の・・・。」

「・・・かもしれないくらいだが。」

シルバー(らしきものの魂)はそのまま森の奥に行った。

「逃がすか!!行くぞ!!」

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??? ??? フォルカ

予想通り、運命は変えられたようだ。

闇の住民の基地にすっぽり入れた。

ここでの目的は、データを奪い、此処を爆破、その後彼らの所に行って情報を得る・・・その辺りだ。

「ディアとは知り合い関係だし、一応話しておこうかしら」

私は彼女の部屋に向かった。

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??? ??? シルバー

「彼が追った先にあったとは・・・ラッキーだな」

「シルバー。貴様アレに見覚えは無いか??」

「アレ・・・ですか??いや見覚えは無いですけど・・・」

「ディア・・・か!!許せない事を・・・」

ディア??誰だその人は??

「・・・お前の記憶を奪った奴だ。俺達の敵にな」

ウォイスが軽く説明をしてくれた。その人を倒せば(奪い返せば)俺の記憶が元に戻るのか・・・。

「ソニックがいれば助かるんだが・・・」

「?ソニックなら此処にいるぞ??」

「なっ・・・!!何故急に!!」

いつもクールなイメージのシャドウが初めて(記憶が無い俺にとっては)表情が現れた。

「Hey!!拠点見事にやっといたぜ!!」

「ソニックさん・・・。スミマセン、吐きそうです・・・」

「速すぎですよ・・・。気持ち悪い・・・」

「Oh,sorry. 悪かったな」

青いハリネズミがソニックで・・・あと2人は誰だ??

「・・・ところでこの人達は誰だ??ウォイス、教えてくれないか??」

無理に覚えている振る舞いをしたら余計混乱しそうなので正直に言った。

「Hello!!俺はソニック!!ソニック・ザ・ヘッジホッグだ!!」

「僕はシャオン。彼女はシアンだよ」

ソニックは自己紹介した後、俺を顔をじっと見つめていた。

「・・・記憶が戻ってないんだな。一応あの術はやったんだよな??」

「すまないな、やってみたんだが戻らなくてな・・・。ディアが持っているかあるいは・・・な。」

「私を呼んだ??ウォイス」

目の前に赤いコウモリ(?)が現れた。気がついたら俺以外皆攻撃する構えになっていた。

「え??何だ何だ!?」

「・・・シルバー。僕の近くにいろ。」

シャドウがそういったので俺は彼の近くに移動した。

「何故お前がいる??基地にいたのではないか??」

「・・・記憶が無い彼の事を言おうと思ってね」

「記憶を返せ!!ディア!!」

「・・・それが・・・。記憶の魂が無いのよ。悪いけど私では記憶は取り戻せないわよ」

「・・・冗談はよせよ・・・。」

「冗談じゃないわよ!!ならこれなら納得出来る!?」

彼女はそう言って手を差し出した。ウォイスはよく見てため息をついた。

「・・・どうやら本当のようだ。」

「!?じゃあ、彼はどこにいるんですか?まさか彼自由に行動してるとか・・・?」

「それは無いだろ・・・。」

ソニックが呆れた顔をしたが、ウォイスは真顔になって軽めに言った。

「いや、それは正しいみたいだ」

「え・・・??」

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??? ロストタワー頂上 ???

亡霊状態のおかげで敵に気づかれずに行けた。

頂上まで623Kmの階層を登らないと行けないが、俺は飛んでお化けと同じように壁を通り抜けたのだ。

「・・・綺麗だな。ここでアレが行われるのか・・・」

一方下の方はというと、敵が説教していた所が見えた。俺はクスクスを笑ったが、どうやら別の人が笑ったと勘違いをして、「俺はやってないのにー!!」と言いながら、泣いていた。泣いてる奴が正しいのだが、それは当然、言わなかった。

 

それは別として、俺は彼らの話をこっそり聞いていた。

『・・・向こうに魂の様なものを見た。・・・おそらくだがこの中に彼はいる!!』

『でもこれ、結構高いですよ!?息出来ないんじゃないんですか??』

『いやいや、息は出来るだろ・・・。』

『高山病になっちゃいそうですね。こんなに高いと』

『ちょっとー!!私無視ですかぁ!?』

『どけ。ディア・・・。承知しないぞ、通らせないのなら』

『・・・ちっ。・・・登ったら登ったらで大変なんだから・・・』

『シルバー・・・そこにいるなら聞いてくれよ。何故俺らを見ているんだ??』

青い針鼠がそう訪ねてきた。

 

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ああ、確かに彼はいるよ。The Messenger of light として・・・。光の使者としているよ・・・。でも、お前の知る姿ではないよ。お前らが此処に来るのを待っているよ。フォルカ達もそれを望んでいるよ。彼女だってそうなる事分かっているんだよ。でも・・・。俺はこれをしなくてはいけないんだ。だからこうやって早めに来たんだよ。予知夢で見た事を実行しなくてはならないんだ。彼が望んでいない事自体知っている・・・知っているんだよ。だってー・・・

 

「俺がお前らが求めている人ー・・・。正真正銘の俺なんだから」

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??? 真実の鏡 ツィンク

我はここから離れられない。いや自由に動けないのだ。ウォイスと違い死が近い内にくる。ここを守る者の引き継ぎをしなくてはならない。それまでゆっくりと見守る事としよう。

さて、彼らがどうなったか見てみると、これは面白い展開になったようだ。

まず彼女の方だが、肝心のディアがいないというのがショックだったようで、闇の住民に「彼女なら10分前辺りに行っちゃいましたよ」といわれ、そのまま自分の部屋に戻ったらしい。 どうやら作戦がずれたようだ。 それならというばかりか、その周りに爆弾を置いたとのことで、後は不明だ。おそらくだが、このまま森に行くと報告後、神殿に戻るパターンだろう。 こちらは作戦に誤差があったが、何とかなりそうだ。

そして彼の方だが、どうやら予定通りロストタワーに行けたらしい。少々遊んだらしく、そのままあれを行うとのことだ。霊となってる筈なのだが、それらしさは全く無く、自分の家みたいにくつろいでる。本来の目的を忘れているのかというとそうでも無いみたいだが・・・。

 

「ふぅ~どうにかなったわ。とにかく、スイッチオン!!」

フォルカが帰ってきた。そして、爆破スイッチを作動した。唐突すぎる。

バンバンと様々な所から爆風が広がった。敵は何も知らずに巻き込まれていく。

 

「・・・いくら敵とはいえ、これは酷いだろ」

「そうですかね??まあ、持ってた爆弾1万用意したからというのもありますが」

「まあ、いいや。ところで、彼の名前なんだっけ・・・な」

「え!?ツィンク、分からないまま話を進めてたんですか!?」

「・・・すまないな、ちょっと人見知りで・・・」

「貴方らしいですね、ツィンク」

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結界組 ロストタワー1階層 ソニック

「こりゃ酷いな・・・。これを登れと??」

上を見るが、そこには階段、階段、階段だらけ。

一部全体が見えないが、おそらく階層(らしきもの)があるのだろう。

「・・・ディア。何故此処に来たんだ??・・・逃げただと!?」

「違います、飛んでるんですよ!!」

シャオンが指を指した所を見てみると、ああ、確かに点に飛んでる。蚊よりちょっとでかいくらいの点だったので、一見見ると見えないが。

「くっ・・・!!やってやろうじゃないか!!競争だな!!足には自信があるぜ!!」

「飛行対快走 ですか・・・ これはいうまでもない気がしますが」

「・・・もうすぐ夜だな」

「!! ・・・早い時間・・に来た・・・な」

「ウォイスさん・・・大丈夫ですか??」

「ああ。満月・・・だろ??だから・・・」

彼は何か言おうとしたが声は聞こえなかった。髪束が分かれ、伸びていく。それと同時に身体が白くなっていく。気がついたら満月の姿になっていた。

「・・・ウォイスさん。昨日はありがとうございました」

「・・・フゥ。・・・お前か、確か・・・シャオンだっけな??当然の事をしただけだ。」

「ハイ、そうです。・・・そういえば紹介してませんでしたね」

「いや、その必要は無い。彼の記憶をちょっと見てきたからな・・・。ほう、シルバー・・・お前記憶を失ってるな??」

姿を変える現象を何度も見ていた彼なら、おそらく「大丈夫か?」などの声を掛ける筈なのだが、今の彼は初めて見る様な顔で見ていた。

「・・・ああ。彼はちょっとな・・・」

シャドウがフォローを入れようとしたが、

「・・・彼ならきっともうすぐ会える」

「え??」

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闇の住民 ロストタワー最上階層 ディア

「どうしたの!?急に呼び出しを・・・。」

「どうすればいいでしょう・・・。すぐに儀式場に来てください!!ディア様!!」

兵士がとても慌てている声が響く。彼らに聞こえなければいいが。

 

 

ここまで来るのにもそれなりに時間がかかった。何より高い。登るだけで結構疲れてしまうが、今はそれどころではない。

「・・・着いたわ。状況を説明しなさい」

「・・・・・」

「!?しっかりしなさい!!」

「・・・見てくださいよコレ・・・」

兵士が指差す所を見ると見覚えのある者が座っていた。

「・・・何故貴様がいる!?お前は最下階層にいた筈・・・!!」

彼が水を飲んでいた。・・・本当に死んでしまったのだろうか?? 足が無い上、羽根が生えていた。訳が分からない。それに髪(?)が伸びている。・・・成長した彼なんだろうか??

「? 何故俺の姿が見えるんだ?それにお前は・・・」

「・・・ねえ、教えてよ。お前が何故此処にいるかを。」

「簡単じゃないか。俺は今亡霊の姿をしているんだぜ??通り抜ける事は出来るだろ??」

「そうじゃない・・・。此処は水が無い筈だ!!なのに何故・・・!!」

「・・・お前はもう1つの儀式を知らないみたいだな」

「・・・『フェイクループ』の事??」

「そう、だな。まあ半分合ってるよ。これは『ウォータライトループ』の儀式だ。満月の前日にある魔術と、満月の午後9時に湧き出る水を混ぜて飲む儀式・・・。」

「・・・。」

「これなら確実に覚醒が出来て、彼らの能力を高めようとしてた訳だ。フォルカ達と一緒にな!!!」

「補助の能力だったのね・・・しかしそれはもう終わりだわ、観念しなさい」

「それはどうかな??」

「どいゆうことだ!?」

「今俺の姿は亡霊。物理攻撃は効かないし、魔術だって此処では儀式以外使えない。他に攻撃手段はあると思うのか?」

「亡霊の人神だなんて言わせないぞ、シルバー・・・!!」

「亡霊は一時的だ。むしろお前が闇世界の神じゃないのか??ディア!!」

私は鎖の武器を構えた。

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続く。

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用語・人物紹介

フェイクループ ロストタワーで行われる儀式のひとつ。一日の堺目に泉の水を飲む儀式で、成功すると幻想を操れる様になり、ループ現象を起こす事が出来る。

ウォータライトループ 公の場では一切語られてない儀式。ロストタワーのみ行える。時間が完全に割れているのでとても大変だが、成功すれば自由に覚醒を行える様になり、魔術・物理攻撃共に強くなる。

The Messenger of light 和訳すると光の使者となる。今回のタイトルでもある。

 

ようやく本編に入ってきたけれど、人数もしかしたら増えるかもしれません。テイルス達空気なのでちょっとそこもいれておこうかな・・・w

ちなみに結末はだいたい整理できてます。小ネタですが、ロストタワーの623mは分かると思いますが、ソニックの誕生日(6月23日)からです。文字的にもいい感じなのでそのまま取ってしまいましたww

 

ちょっと頭がごちゃごちゃしたので整理。解釈は人それぞれで。

① ディアとシルバーとの関係は微妙で敵だが恋人(?)っぽい

② シャドウは元々不老不死(これは公式も同じ)

③ ウォイスは過去に何かあったらしく、今回やる結界も一人でやったことがあるらしい

④ 黒羽様の作品を見れば分かる通り、ソニックはこの後何らかで死にます(これはネタバレだが、作品を見れば分かる) 

⑤ 何故シャオンが生死があるのにも関わらず、老いてない状態で生きていたのか?

⑥ シルバーは現在2人いる。(記憶が無く肉体がちゃんとあるシルバー、記憶はあるが肉体が無いシルバー)

⑦ 現時点ではシルバーがエメラルドを独り占めしている状態。

⑧ 結界は術者の他に肉体が必要。

⑨ ウォイスの満月時、通常時の記憶は別々で存在するが、リンクするかは満月時によるらしい

ヒント程度で見てくれると幸いです。

 

今回章の中で一番文字を使っていたりします。

 

 

 

様々な事件が沢山続き、遂には心髄にまで及んで行って、己の中でそれを重く、鋭く貫くのだ。 嘘だらけの世界で信じる事が出来るのは、己自身ただ一人。痛い思いとかしても良いんだ、嘘をつくのはもうこれで最後にしよう。だからお願い。早ク逃ゲテ。