夢想の針鼠の夢跡

物語に隠されたもう1つの物語 『過ち』を知る物語

幻想の赤月 -3章 With the mysterious force

神々が人間界を干渉していた時、神々は『精霊』と呼ばれる生物を最初に誕生させた。そして、豊かな『創生』の力を少しだけ分け与えた。精霊達は神々の者達と共に人間界を創った。そしてその中でも大きな力を持つ妖精を『大精霊』と呼ぶ様になり、その大妖精の中でも特に神と等しい力を扱える妖精4人を『四精霊』と呼んだ。それは『』『』『空気』『』の精霊だった。そして現在もその力は存在しており、『人』として生活している。秘められた力を手に入れる人は『清き心』を持つ人だろう。そしておそらくその人は・・・・・。

筆記者 ???

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ウォイス ???

「・・・シルバーさんは?」

「ーああ、あいつか?あいつならさっき家に帰っていたが。それがどうかした?」

「いや・・・。ちょっと変な感じがして」

「変な・・・?」

「多分気のせいですけれど」

シルフィはちょっと疑っているが、気のせいだと言ったが、実際俺も何かが変だと思っている。・・・もやもやしているせいで肝心な何処が変なのかが分からないのだが。

「シャオン・・・何処だろう」

「ーまだ気がかりなんですね。シャオンの行方」

「『真実の鏡』でシャオンを探したが・・・。見つからなかった。どっかの時代に飛んでしまったのか・・・?」

「過去に行ったっていう可能性は?」

「無い。ーもしそうなら俺の名を聞いてそこに向かって会っている筈だ。会った覚えは無い。未来に行った可能性がある」

「・・・それこそ私やシルバーの様な、最低200年後の世界とかに行ってしまったとか?」

「それは無いと思うが・・・。」

「じゃ何処に行ったの?」

「・・・分からない。別の次元に行ったのは間違い無い。違う星に行く事は無い。それ自体の結界は彼らの胸にある。だから」

「ーこの世界の何処かにいる。ただし『理論的』の意味ではなく、この世界『時間もろとも』の何処かにいる、と?」

「魔学・理学には適わない、時間の空間の何処か。ーめちゃくちゃすぎる」

「・・・そりゃ、そうですよね。時間なんて無限にあるんですから」

「だが、俺の予感では・・・そう遠くは行ってないだろう。最大でも1000年くらいの・・・」

「時間の無限と比べたら短いですが・・・。人間だと10~15代目の子孫が出来るくらい長いじゃないですか」

「そうだな。ー短い様で長い。『真実の鏡』は『現在』しか見れないからな・・・」

「未来ならシルバーに任せても大丈夫でしょう。彼の故郷で見つかるかもしれませんし。・・・それに」

「・・・?」

「『神秘的な力を持つ者』が、ある程度いますしね」

「・・・?『神秘的な力』??」

「あら、知らないのですか? ・・・貴方の言う『1000年に1人生まれる』奴と似た様なものです。ただし、こちらは『常識外』の能力者ばかりですが」

「ーソニック、シルバーなどがそれに当たるのか?」

「そうですね。風の化身、神の化身、水の化身など、色々伝説を語られるとか何とか」

俺も薄々ではあるが気がついていた。ソニックの持つ力、シルバーの持つ力は普通に考えても常人では不可能だ。一言で言うと『種無し手品』の様な・・・。

「・・・だが、何故お前がそんな事を?確かにお前はシルバー同様、超能力を扱えるのはまだ良い。問題は何故それを知っている?誰かの入れ知恵か?」

「フフフ、貴方はまだ気がついてないのですか?私の気質、彼の気質に違和感はありませんでした??」

シルフィはそう言って嗤う。この嗤い方。確実に彼女に何かある気がする笑顔だ。それにしても、この気配は何だ??明らかに人じゃない。

「・・・お前の身体に何宿している?悪魔か?」

「いいえ。悪魔なんかじゃありませんよ。むしろ『私』自身が特殊な人ですしね」

・・・お前が変わった人物なのは分かっている。何しろお前はもう1人のお前が変わった人なのだから、当然じゃないか。光と影の能力は大体は共通だ。

「シルフィ・ヴィナース、シルバー・ザ・ヘッジホッグ・・・。お前らは一体何者なんだ・・・?」

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シルバー 海上

「へっくちん」

「・・・シルバー、大丈ー夫?」

「ああ、平気平気。可笑しいな、あまり寒くなってないと思うが」

「あれじゃないかな?誰かが噂されたりして」

「多分な。ーきっとシャドウかウォイスだろうけど」

「あの人達も相当心配性なんだねー」

「あいつら・・・。未だに考えているのか?再来など」

「流石に連続は無いと思うーけどねぇ~・・・」

「だよな。無理がある。余力を残してるとは到底思わないが。あ、見えてきたぞ、クロノス都市」

「・・・うわぁ、凄い邪気だね、コレは」

クロノス都市の時計塔だろうか。そこからクロノス都市全体に闇の塊が集中的に散蒔かれている。夜が続く様なのも無理もない。

「ーんじゃ突入するぞ。準備は出来たか?」

「うん!!準備完了だよ!!」

「行くぞ!!」「うん!!」

そう言って俺達は能力を開放し、闇の瘴気を通り越した。

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シャドウ クロノス都市

「・・・久々にGUNの仕事でクロノス都市に行ったらこの様か」

「シャドウ!!」「シャドウさん!!」

「ーシルバーに、シアンか。この様子だと貴様らも此処の異変解決目的だな?」

「ああ。しかし、これは酷いな・・・。」

時計塔を見る。頂上の鐘からだ。この変な闇を発しているのは!!

「シャドウ、どうする?このまま一気に戦うか、奇襲攻撃を仕掛けるか」

「・・・奇襲攻撃を仕掛けよう。多分引き寄せる為だろう」

奇襲攻撃。逆に読まれていたらこれはこれで大変だが・・・

「奇襲ーって何?」

「つまりだな、敵に気づかれずに先に攻撃を仕掛ける事だ。・・・急に攻撃が始まったら混乱するだろ?」

シアンの疑問にシルバーは答えてくれた。分かりやすくて助かる。

「そうだね。・・・じゃあ気配と姿を消さないとね!!」

「それに、どうやら今回は武術の方が良さそうだしな。相手相当魔力ある」

シルバーはそう言って渋い顔先を見る。見た感じそんな感じがする。

「中距離攻撃で迎撃すれば良いか。・・・行くぞ」

「ああ」

時計塔のボスが倒れれば、おそらく終わるだろう・・・。?待て、それでは単純過ぎないか?それくらいならルージュなどに頼めば良い筈だ。となると敵は相当強いか、他にもボスがいるか・・・のどちらかか?

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シルバー 時計塔頂上前

『ーこの都市を滅ぼした方が良いんだ。此処には絶望しか無いのだから』

そんな声が相手から聞こえる。しかしこの声、俺にしか聞けない声である。

(・・・何かと便利だなこの力)

この力が凄すぎるのはつぐつぐ思っていた。言ってみれば『作戦』や『嘘』が俺の耳に筒抜けなのだ。美味しすぎる。

『・・・人々が何故俺を嫌う?俺の顔が酷いから?俺の性格から?』

(要はこの異変、『相手』が欲しかったんだな)

「聞こえたか?シルバー」

「・・・この異変、『相手』が欲しかったみたい。ずっと1人だったみたいだよ。俺に任せて。シアン、睡眠魔術を」

「うん。・・・シープスリープ。」

敵はうとうとし始め、やがて眠った。

「・・・俺の能力で彼の脳に話しかける。お前らは此処で待機しててくれ。万が一暴れた時はヨロシク」

「ああ・・・」「頑張ってね、シルバー」

「・・・リンク」

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シルフィ ???

「私?私はね、ちょっと不思議の子」

ウォイスは「ハァ?」とでも言いたげな顔である。

以前私はシルバーに寄り縋り(よりすがり)、私の事について話した事がある。その事を伝えた後の彼は少々驚いていた。そして彼はこう言って私の力を見事に使いこなせる様になった。「我の力と共に同化せよ」と。

「・・・私はね、元々『人』ではなかった。しかし、此処から先の未来で私は『人』になって生まれた存在なの」

「どいゆう事だ」

「ーそもそもあの時は『初対面』ではないわ。初対面だったのは、9000万年前くらいの精霊が神の力を与えた時くらいかしら?」

「9000万年前・・・何故そんな出来事を知っている」

ウォイスは動揺していた。それもその筈。私が9000万年生きているなど普通考えないだろう。実際ウォイスからそんな過去教えてない。ーあの時より過去はフォルカ以外皆知らない、そう思っていたのだろう。

「・・・アララ、流石に急すぎて展開が読めないのね?まあ、後で話をするからいいわ。ちょっとシルバーが呼んでるし、行ってくるわね」

「あ・・・おい!!何故知っているか言え!!」

そう言って彼は私の後を追った。この人も相当色々考えているのだろう。

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シルバー ???

「・・・シルフィいるか?」

「もう!!急に呼ばないでください!!」

「悪い悪い。でもちょっとお前の力も必要みたいだからさ」

「・・・?」

「これ見てみろよ」

シルフィはそう言って彼が眠っている宝石を見た。

「・・・これって」

「そう、クロノス都市の犯人。でもこんな状態じゃリンクしても無意味だ」

「その無意味を解く為に私を・・・」

「ーお前なら出来るだろ?これを解くのをさ」

「しかし、これは凄い魔術ですね。まさかこんな事出来る人がいるなんて」

「あるいはアレじゃないか?お前と同じ種族がやったんじゃないか?」

「・・・可能性は否定出来ません。あるいは、ウォイスみたいな人がやってるかもしれません。でも、これは半分人間です。」

「ーじゃアレをしないといけないのか。」

俺はクリスタルの様な物を触り、感覚を探る。人間部分の魔術は読めた。ただ別の部分の魔術は全く読めない。

「そうですね。準備はいい?ほっぷ、すてっぷ、じゃーんぷ!!」

シルフィは飛んで、彼女の周りにピンクと紫の中間あたりの色の光が発する。そして彼女が見えなくなるとー。

水色のリングになり、手首のリングの周りに飾りが付けられた。

「よし、助けるぞ、良いよな?」

『・・・うん。貴方の望み通りにしてあげて』

「ー行くぞ」

そう言って俺達は術を解き放つ術を唱え始めた。

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続く

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ほぼ連続で投稿しているポルです。絶好調とは・・・w

多分今回はシルフィが主役かな、と。実は結構お古のオリソニです。多分ガナールより古いと思います。まあ最近付けた設定もありますが。

では。

next -4章 element sylphid

様々な事件が沢山続き、遂には心髄にまで及んで行って、己の中でそれを重く、鋭く貫くのだ。 嘘だらけの世界で信じる事が出来るのは、己自身ただ一人。痛い思いとかしても良いんだ、嘘をつくのはもうこれで最後にしよう。だからお願い。早ク逃ゲテ。