夢想の針鼠の夢跡

物語に隠されたもう1つの物語 『過ち』を知る物語

議会開始。

目の前には15名程度の魔導師がいる。

ウォイス、シャオン、シアン・・・その他諸々名のある魔導師がいた。

現在午後10時34分。俺もその1人としてこの部屋に入った。

周りを見ても相当強いのが、俺でも何となく分かった。おそらく半分の人がアーチメイジなのだろう。

俺が一番『魔導師としては』実力が無いだろう。しかし俺が何故此処に呼ばれたかと言うと、この後の会議に俺が深く関わってくるからだ。ーウォイスに事情を説明を受けたが、まさか本当にそれを行うのだろうか・・・。そう、俺の勘が『其れ』を意味していたら・・・。おそらく揉めるだろう。

 

「おや、シルバー様ではありませんか」

とある魔導師が俺の元に寄ってくる。『様』を付けられるのはおそらく身分が高いからなのだろう。まあ、『ウォイスの友人』でもそんな扱いを受けるのがアレなのだが。

「確か名前は・・・キリアスだったか?」

「そうです。キリアスです、この後何が起こるかご承知でしょうか?」

「いや、俺は分からないが・・・あと敬語止めて貰いたいな。魔導師のランクからしても、俺の方が低いだろうし・・・」

「?それならそれで。シルバーが何故此処に?」

「ウォイスに呼ばれた、そう言えば分かるか?」

「ああ、成程」

 

ガチャリと音がする。ウォイスが入ってきたのだ。右手には書物の様な物が多く抱えている。量からして30枚くらいはあるだろうか。ウォイスが指定位置に移動し終わると、全員敬礼をする。ウォイスも敬礼した後「座ってくれ」と言われたので、俺も座る事とする。右手に抱えていた紙をパンパンと向きを揃える様に机に叩いた後、咳払いをして、真剣な顔になって口を開いた。

「・・・これから今後の戦いについて説明する。発言したい方は今後手を挙げる様に」

その声で皆が黙る。ほぼ全員が分かっている事だが、ウォイスの説明は相当難しい上に早い。気を逸らすと、即座に置いてかれる。俺は集中して声を聞く事とする。

「まずは・・・此処に来た人の紹介でもしておこうか。初対面の人もいるだろうしな・・・」

そうだ。この議会の一部のメンバーは見覚えの無い顔がある。自己紹介はしておいた方が良いだろう。

「では私から見て左側の人から紹介する。まずはアファレイドのー」

そう言うと、俺目線右側の人が起立してお辞儀をする。それが10人程度続いた所で俺の番が来る。

「・・・魔導師としての実力はまだ浅いですが、宜しくお願いします」

そう言って俺は着席した。周りの目線が気になる所だったので読心術を使う。『浅い割には結構強いな』という声を聞いたので安心した。

最後はウォイス本人が自己紹介して終わった。

「・・・さて、本題に入ろう。私も着席させて頂く」

そう言うと、ウォイスも着席した。

 

ー議会開始。これから、様々な事件の解決策を編み出す。

 

また、これによって運命が変わってくるので大変だ。

俺は3人の代表として、この議会の話を積極的に聴く事にした。

様々な事件が沢山続き、遂には心髄にまで及んで行って、己の中でそれを重く、鋭く貫くのだ。 嘘だらけの世界で信じる事が出来るのは、己自身ただ一人。痛い思いとかしても良いんだ、嘘をつくのはもうこれで最後にしよう。だからお願い。早ク逃ゲテ。