日記の七の巻~Screamed with sorrows
・・・・・耳ザリだ。止めてよ・・・誰?俺の耳元で、悪魔の様な声を囁く奴は・・・。
やめてよ、嫌だよ・・・。孤独は・・・嫌ダ・・・。
「ー!!」
目が覚めた。胸元を見ても、印は見当たらない。じゃあ、あの声は・・・。
「大丈夫?シルバー、貴方悲鳴あげていたよ」
そう言った方向にはガナールがいた。心配そうな顔をしていて、俺の頬を当てて、熱を確認している。
「ガナールか。ありがと、な・・・・うッ・・・ッ」
「・・・大丈夫?」
ガナールが背中をポンポンと叩いてくれていた。その感覚だけで大分楽だったが・・・俺は・・・怖い・・・・・・何故かは分からない。けれど、悲しくて・・・。
タスケテ・・・孤独ハ嫌ダ。
人間不信になっていたのだ。いつの間にか、他人という存在が怖くなってしまって。でも、目の前にいるガナールなら・・・助けを求めても・・・・。
「ー私は、貴方の大切な人になっているのでしょうか?」
ガナールは逆に俺に問いかけてきた。それが非常に嬉しくて、ぎゅっと抱きしめた。
「うん・・・大切な人だよ。・・・だからお願いがあるんだ・・・」
「・・・?出来る事なら、やりますよ」
『私ヲ・・・助ケ・・・・・・テ』
そう言おうとしたら、また視界が歪んだ。ガナールらしき姿があったけれど、表情までは把握出来ない。ーああ、まただ。マタ、誰カノ声ガ・・・。
もう、何がなんだか、分からないんだ。ガナールなら・・・・シャドウなら・・・ウォイスなら、分かってくれるかな・・・。
それ以後、俺は時々こうした声が聞こえてきた。結界の力が弱まってしまったのか、それとも私がこうした姿に『なってしまった』からなのか・・・。でも、これをもし、この後現れるスパークらが・・・こんな事になってしまったら。ー俺はどう責任を取れば良いのだろうか?俺がやりたいから、こんな事をしている訳ではないと、彼は理解出来るのだろうか・・・?
その声は悲しい声だった。多分声の主は、彼なのだろう。それも、繊細な彼が、私に声を掛けてくるのだ。黒魔術に魅入られる前の、それこそウォイスがよく知る、ガナールが助けようとした、あの人の声。俺が知る術も無い、アファレイドの過去。多分、首を突っ込めば、ウォイスは俺を止めようとするだろう。でも、知らない訳にはいかないのだ。過去を知る人物が、友人が一人いる。ーだから、知らないとならないのだ。ずっと、調べなかったが・・・・・・ごめんなさい。
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続く。