夢想の針鼠の夢跡

物語に隠されたもう1つの物語 『過ち』を知る物語

日記ノ十九ノ巻~The past

「・・・此処は?」

「此処が、私達の住む世界ー『裏世界』よ。表世界の私」

「此処が・・・こっちはむこうと違う雰囲気持っているが、いい風景だな」

「呑気な事言ってて良いの?ソニックやシャドウがこっちのソニックとシャドウで戦っているけど」

「助けに行こうとしたら、嫌な事しか言わないだろうからさ。「それは俺の出番だから」とか言われるか、巻沿い喰らうかのどちらかだ・・・それに、俺は戦う気が無いんだ。それで破滅に招くのだろ?」

平和的な考えを持つ人だ。其処は彼女も一緒だった。今戦ってもお互いが傷つけ合うだけだし、それで得はあるかというと、無い。

「・・・でも、攻撃しないとはいえ警戒はしてるけどな。ー嫌々とはいえ、俺達を此処に引き込ませたならば、警戒しない訳が無いけどさ」

それを言いながら彼は歩き続ける。単純に彼はこの世界を興味本位で此処を知ろうと思っていた様で、彼は建物・自然・生物をあちこち見て、目を輝かせていた。反応が大きいので、とても分かりやすい人だ。

私も少なからず警戒はしていた。でも、私は攻撃する気など元々無かったのだ。あれを行えと命じられたから行っただけで、決して自分がやりたかった訳ではない。・・・でも、あれが彼なのだから、仕方が無いだろう。

 

『元々俺は其処にいた。・・・其処に戻ってやるべき事をせねばならない』

 

その隣にはそっちの世界から来た少年がいた。彼に「誰?」と聞くと「俺の弟子だ」と言って、私から視線を逸していた。

・・・でも今思うと、あの時私は『人』として認識出来て無かったのだろう。彼は実際その後ー1年か2年後に私の正体に驚いていたのだから、あの時までは『精霊』として、私を見ていたに違いない。姿も隠していた事もあって。でもそれならば、3人が知り合った時疑問に思う筈だ。私ーシルフィードが何処に関与していたか。実際彼も不可解な出来事が幾つかあった。これはこの事件の後に起こった彼が主犯の異変ー通称天気異変にも影響を受けている。私にも謎が幾つかある。何故こんな事が出来るの?なんて思った事も多々ある。真相を知るのは、きっと彼の従者になった子、ガナールしか分からないでしょう。この事件の不可解な点を生んだのは私だが、天気異変は基本ガナール絡みが多い。

 

~数年前~

「父上」

「恥ずかしいからその言い方は止めてくれ。彼に聞こえたら困るしな」

「・・・なら、ウォイス。何をしているんですか」

「お前は紅月について聞いた事があるか」

「?ああ、それなら彼に少しだけ・・・何でも表世界にいる犯罪者とか何とか。ウォイスと同じ、魔導師だと聞きました」

「なら話が早い・・・実はな、その紅月についての自己解釈だが・・・・・・おそらく彼はー紅月はお前と俺、四精霊を引き裂いた奴では無いかと考えてな」

「!!それは本当なのでしょうか??」

「あくまでそんな気がしているだけだけどな」

「ならば、放置する訳には行きません!!今すぐにでもー「待て、シルフィード。お前は表世界に渡る魔術を持ってないのだろう?」

「あ・・・」

「其処でだな・・・お前、シャックっていう友達がいるのだろう?分かった事があってな、それは『表世界では英雄』なのだ。ソニック・ザ・ヘッジホッグ

「・・・!!それって風の・・・」

「ああ。・・・おそらくその友人らが手伝えば、彼は滅びると推測した」

「そう、ですか。それで呼んで来い、と?」

「ああ」

「・・・・・・分かりました。巡り合わせる様、宿命を変えてみましょう」

「宜しく頼む」

 

私はそう言うと、彼の元から離れた。・・・嫌だった。傷付ける事になる・・・でも・・・・・・。

 

~???~

 

私はシャックにこの事を教えた。「私の友人が表世界の貴方に会いたがっている」と。そして「表世界にいる私達を此処に呼び寄せよう」と・・・。シャックは私の頼みを聞いてくれた。そして、お友達でもあるシャイルも一緒にやろうと言ってきた。「面白そうだから僕も混ぜてくれ」と。

私は決心した。最後まで偽り続けようと。でも、裏世界の私ーつまりシルバーは本当の事を話した。シルバーは目を見開いたが、直ぐに穏やかな顔になり、「お前はお前なりに事情があって無理矢理敵に回しているという訳か」と、内容を把握してくれた。

その後、私はシルフィとして、ウォイスと出会った。彼からすればそれは初対面だったけれど、いつもの彼と同じだった。・・・ああ、そろそろ寝なきゃ。この話はまた今度、お話しましょう。

様々な事件が沢山続き、遂には心髄にまで及んで行って、己の中でそれを重く、鋭く貫くのだ。 嘘だらけの世界で信じる事が出来るのは、己自身ただ一人。痛い思いとかしても良いんだ、嘘をつくのはもうこれで最後にしよう。だからお願い。早ク逃ゲテ。