日記ノ二十一ノ巻~Vide
何も感じず、何も考えず、ただただ前へ行く。真下にはランタン等の光が程よく闇と調和して、幻想的な風景を作り出している。そして真上には、この闇を白に染める雲が、私達を見下ろしている。そして、後ろには私を追う者がー。
翼は契れていても、構わない。会えればそれで良い。何故、後ろの人はそれを妨害しようとしているのだろうか?
幻想的な風景を描くそれが、多く見受けられる様な気がしてきた。・・・後ろの人も疲れてきていた。同時に、後ろの人が何故私を追いかけてきたのか、ハッキリした。
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綺麗な紫と桃色に囲まれた草原。其処に、彼はいた。
前に街があって活気があるのと裏腹に、後ろは暗闇に包まれている。そんな境目に位置するかの様な此処は、綺麗だった。
不意に彼が振り向いた。光溢れている所が背景になって、彼は微笑む。
「君は私と正反対」
そうやって微笑む彼は、少し寂しそうにも見えた。
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『日記を書いていく内に、少しずつではあるがこれをやるのが嫌いではないと思い始めていた。日ー月どころか年代が違うのだがーを混ぜるのも面白い。・・・日時は全く書かれてないけど、どれくらい前に書かれたか直ぐに分かる。これが溜まったら、いつかやってやるんだ。「こんなに書いたんだよ」って。それで笑ってくれたら、嬉しいな。』