夢想の針鼠の夢跡

物語に隠されたもう1つの物語 『過ち』を知る物語

日記の一の巻~My conclusion

今日も一日が終わり、今日も月がこの闇を照らすだろう。

図々しいあの声も、夜になると収まり、いつも賑やかな市場は誰もいなくなる。

そんな時間が、私にとっては狂気を仰ぐ事となるのだ。

音が消えてしまって、光も見えず、独りぼっちの世界が目の前にある様な気がして。此処が壊れ、全てが崩壊してしまってさ。私はそれを見るしか無かったんだ。

「見る世界が違うのは、多分『私』が『ワタシ』じゃないからだろうな」

ポツリそう呟くと、私は肩の力を抜いて死ぬ様にして眠った。

 

・・・・・マダ怯エテイルノ?私ガ守ッテアゲルカラ・・・・・

 

ゆっくりと目を開けると、先程『ワタシ』が見た光景と同じだった。だけど、何処か懐かしい感じがした。静かな夜もまた、綺麗じゃないか。夜の世界、それが綺麗なんてそんなの分かっている。

死にたかった。こんな世界なんて知らない世界が多かった。でも、私が死ぬのは出来なかった。私は多分迷っているんだろうな。ただ、私はこんな世界が知りたかっただけなのに。何故、そんな怖い目で私を見るの?

化物とか神様とか悪魔とか精霊とか、結局は幻に過ぎないのでしょう?何処かでそう考えていた。既に多くの種族(哺乳類とかそういう類ではなく、それこそ神様や悪魔とかの常識の範囲を遥かに超えている種族の事)を見てきたのだから、もう訳が分からなくなっていたのかもしれない。

んで、私がこうして行動しているのは『ワタシ』の使命と『私』の使命を果たす為である。まあ、この世界の素晴らしさを知る時間にもしているけれど。使命果たしたら、私達一体この後どうするのだろう。仮にこの世界が救ったとしても、誰かが泣いてしまうのではないだろうか。

絶対全員が幸せになる、そんな出来事等あるのだろうか。いや、無いだろう。全員違う人間が全員幸せになるなんて、無茶だし現実から考えても意味が無い。それにもしそれが本当にあったら、他の幸せはどうなる?幸せだけ満ち溢れてしまったら、誰も幸せを感じなくなるのではないのだろうか。そういう意味では幸せだけでは全てが良く見えなくなる。良い人だけだったら、協力する事も無くなり、それこそ心の『死』に繋がるのではないだろうか。そういう事も考えれば、不幸・悲しみ・憎しみ等の『負の感情』は必要なのだ。辛いから何かを達した時幸せに感じるのでしょう?直接繋がるかどうかは別だけども、負の感情がそういった喜びを感じさせるスパイスをあげているいるのではないだろうか。しかし、時には『負の感情』が暴走した末に招いてしまった悲劇もある。それこそ、憎しみに満たされてしまった結果、殺人に及んでしまったとか、そういうのも例の一つになるだろう。実際私はそれを何度も見ている。だから、曖昧なのだ。『心』は持つべきなのか、無くすべきなのか。でも『心』が無くなったら、皆滅んでしまうだろう。協力という言葉は崩れ去られ、人間はただの『生き物』として動いてしまい、最終的には本当に滅んでしまう。汚れた心を癒すには、相当な時間が必要だった。そう、憎しみは消える事なんて無いのだ。だからこそ、代わりのモノで埋めるしか無いのだ。物理的に記憶を失う、それも手段の一つかもしれない。だが、もしそれが出来たら、それまでの存在意義を消してしまうという結論に至るのでは無いのだろうか。消すというのは記憶を消す事。『忘れた』というのではなく、それごと消して『無かったことにする』のはいかがだろうか。人工的に記憶を消去なんて、無茶な上に残酷だ。それこそ悪い人がそれを利用して、皆の記憶を消してしまったら、大変な事になるでしょ?

 

・・・と、此処までが私が考えている『心』と『負の感情』についてである。私の解釈で申し訳無いだろうが、これが今まで体験したことの結論である。但し、これは『私』の結論であって、『ワタシ』の結論はきっと違う。『私』と『ワタシ』の価値観は違うのですから。

私が言うのも何なのですが、『幸せだけが溢れる世界』なんて、作る事は出来ないのです。幸せだけあっても、いずれ幸せが何か忘れ去られてしまいますよ。最悪、人の心を崩壊しかねないのですから。

この後はワタシが出した結論を言う訳なのですが、これはまた別の話にしましょう。

***********

続く

 

作成時間 約50分。

 

『私』の結論『ワタシ』の結論 は誰かの結論を告げたモノです。誰のかは言いませんが。『私』は『心』と『負の感情』についてでした。『ワタシ』は・・・今度にしようかと。では。

***********

様々な事件が沢山続き、遂には心髄にまで及んで行って、己の中でそれを重く、鋭く貫くのだ。 嘘だらけの世界で信じる事が出来るのは、己自身ただ一人。痛い思いとかしても良いんだ、嘘をつくのはもうこれで最後にしよう。だからお願い。早ク逃ゲテ。