夢想の針鼠の夢跡

物語に隠されたもう1つの物語 『過ち』を知る物語

???

とある国が一つ滅んだ。

そして、その代わりとなる国が一つ生まれた。

此処最近の出来事だ。

誰も、分かっていないだろう。

元々その代わりの国が、『代理』である事を・・・。

 

相変わらず、この世界は愚か者ばかりだ。

我が教えた事を直ぐに真似て、新たなモノを創る。

・・・まあ、それは許そう。

教えた我が、新たなモノを見て新たな力を得るのだから。

実際逆もありうる事だ。

だが、同じモノを『創った』と言うのは、非常に不愉快である。

それは、我でも許せぬ事だ・・・直ちに滅ぼさねばならぬ。

 

国が一つや二つ滅んだ所で何になる。

とある者がそう考えた人がいた。

かなりの長寿であるのか、これが当然の様になっていた。

国が一つ滅んだだけでも波紋を投げかねない。

そう考えた者がいた。

その対立はやがて国を動かす事となった。

最終的には『犠牲者』を出してまで、決着をつけようという結果に至った。

そもそも、それをやろうとしたのは、数少ない者ー利益を得る者達だ。

利益を得るその大きな欲望が、大きくなっていく。

考えてみよ、もしその大きな欲を持つ者が、権力を持ってしまったら。

・・・答えは分かるだろう?

そして、利益を得る為ならば他人を傷付けてまで手に入れてやるという者もいる訳だ。

それが最終的にはアレが起こる。

心を持つ代償の一つとも言えるだろう。

忘れされようとした時に、再び悪夢が襲うだろう。

此処は、その繰り返しを見る事が出来る。

 

さて、貴方はどの終わりが見たいだろうか?

『皆が幸せになる夢』をお望みだろうか、皆の場合は。

・・・幸せは不幸と共に出てくるモノだ。

此処にあった書物は全て本物だ。

何故か?此処にあった出来事は全て我が体験した話なのだ。

古い書物等も見れる。

これらは一体何だったかというと、日記だ。

毎日毎日その時起こった出来事を全て書くのだ。

それを何千年、何十万年も続ける。

そうすれば、歴史の宝庫となるだろう?

我は、この歴史の宝庫を特殊な空間に封じた。

知りたければ、我に問えば良い。

最も、この事を知る人物など、そう簡単に見つかるかどうかは分からないが。

沢山あれば、ある程度予想はついてしまう様になる。

我がそうなった。

 

歴史は事実とは異なる場合がある。

事実はそのまま、本当の事を言うが、歴史は情報にしかならない。

情報操作していたら、した状態が此処に伝わるからだと思われる。

 

「・・・お前も歴史を知ろうとしたのか?」

とある者が我の元に訪れた。とある者は縦に首を振ると、我は溜息をついた。

「そう、ならば自由に見ると良い。・・・だが、後悔はするなよ?」

我は警告した。とある者はそれを聞くと、「事実に目を向けたいから」と言って、我が書いた書物を探し始めた。

(そういえば、此処に訪れた客人は久々かもな)

我が此処を訪れる事も月に3回程度だが、それ以前に我が此処を訪れる事を知る人物がいなかった。

あの者は、どうやって我がこうした空間を持つと分かったのだろうか?

・・・考えてもあくまであの者は客人だ。丁重に扱うべきだろう。

この空間はまともな図書館よりも多くの本が並んである。

おとぎ話から歴史の書物、魔導書もあれば料理のレシピ本だってある。

但し、言語はバラバラだ。各国から集めた本だからだ。

我は全部読める事を前提に、ジャンルごとに分けてある。

もう、どれくらいあるか忘れたが。

とりあえず、沢山ある。

何年経っても読み切れるかよ、っていうぐらい。

もしかしたら一生かけても全てを読めないかもしれない。

それ以前に一生までに我の日記を全て読み切れるのか。

それが現れたら、それはそれで楽しみである。

 

・・・おや、もう一人いる様だ。

少しだけ怯えている様にも見えるが、我のご友人が此処に来た様だ。

 

 

『さて、貴方はどの様なモノを知りに此処にやって来たのだろうか?』

 

 

 

様々な事件が沢山続き、遂には心髄にまで及んで行って、己の中でそれを重く、鋭く貫くのだ。 嘘だらけの世界で信じる事が出来るのは、己自身ただ一人。痛い思いとかしても良いんだ、嘘をつくのはもうこれで最後にしよう。だからお願い。早ク逃ゲテ。