夢想の針鼠の夢跡

物語に隠されたもう1つの物語 『過ち』を知る物語

幻想の赤月 3章 Darkness dwellers

注意 ・うごメモの黒羽さんのオリソニ漫画の派生作品です。

   ・上を知らない人は一回見る事をお勧めします。

   ・許可は得ています。

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森・結界グループ 戯言の森 シャドウ目線

「ここまでくるなんてな」

敵が目の前に大勢いる。

「ご丁寧に色別されて。・・・あいつら魔力はほぼ0だ」

ウォイスがぽっそり呟く。

「なら、これでやるか。カオスランス・・・!!」

闇の住民は光(聖属性)が苦手だ。これを受けると闇の魂の様な感じになり、水蒸気みたいに消えてしまうのだ。

だが、そう簡単には行かないみたいだ。

「・・・やはり本気は出しておくか。三分辺でな」

「しょうがないか・・・。森組、北・西を、結界は南・東をやれ!!」

「了解!!」

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??? ??? シルバー目線

何を守ればいいのだろうか。気を失っていた間に何があったんだろう。

「貴方は全てを解く鍵」

声を出そうとしたが、出ない。心臓をもぎとられそうになった際に奪われたのだろうか。これでは人魚姫とほぼ同じだ。

・・・誰かが質問を投げて来た。

「せめて教えて欲しいわ。貴方は何故、ここへ来たの?」

そんなの簡単だ。歴史を捻じ曲げる為だ。

「なら言って欲しいわ。平和と貴方、どっちが大事?」

どうせ俺は壊れてしまった世界の住人だ。俺自身を大事にされても意味が無い。

「そう・・・。」

それ以前に何故俺の名前を知る??何故俺の声が分かるんだ・・・?

「知らない??私はここを守れと言われたのよ。」

・・・守れ?誰だ、命じたのは!!

「・・・ウォイスよ。このなる事を予測していたのよ。」

・・・ウォイス??誰だ??

「・・・記憶を取られちゃったのね。貴方。名前は覚えているの??」

・・・シルバー。未来から来たハリネズミ・・・。

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拠点破壊組 レディアループ ソニック目線

空間の歪みが急に現れた。

「何だ!?」

そこから地震のような感覚が生じたので気づかない訳が無い。

「ソニックさん!!これって・・・!!」

「シャオン!!」

「ハイ!!もうやっています!!」

スパンという音がした。軽く早く切った様な感じで。

敵味方関係無い。無差別攻撃だ。いや、どちらから見ても敵の攻撃に近い。

ある者が時空を簡単に破ったのだ。

ではある者は誰?となる訳だが、なんとなくだが分かった。

いや、奴が出た時点でおおよそ何があったか予測できたのだ。

ディアが拠点付近に現れたのを見たという情報を得たからだ。

この時点で何があったか予測が出来る。

彼女は罪を無かった事にする能力がある。この能力を生かし、神殿に行ったのだろう。唯一敵の中で神殿に行けるのは悪意が無い(有るが押し付けた)彼女だけだ。その時指揮していたのはシルバーだ。彼と彼女の関係上、接触をする事だろう。そして彼は否定をし、殺されるような事をした・・・という所だろうか。

「奴め・・・何をしたんだ・・・??」

 ただ、時空とはあまり関係なさそうだ。その切れた所から光を感じるからだ。

「!?今すぐしゃがめ!!」

「えっ!?何急に!?」

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結界・森組 戯言の森 ウォイス目線

「・・・おかしい」

「何がだ??」

「・・・お前はさっきの空気を覚えてるか??」

「確かに変わっているな。何故だ??」

という言う間にピーピーと音が鳴る。通信機だ。俺は通話モードにした。

「・・・何だ??・・・ソニックか。何だ?」

『・・・ディアが現れた。おそらく神殿に何かあったと思うが・・・』

「ちっ・・・分かった。ソニック達はディアを叩け。神殿は俺らの方で用意しよう」

『了解。んじゃ切るぜ』

プー・・・プー・・・

 「ディアか・・・。クリミラ!!シルバーの様子を見てこい。・・・ついでに守護してくれ」

「了解!!」

クリミラは翼を広げ、東の方角に飛んでいった。

「・・・奴の呪印外すべきだろうか??シャドウ」

「・・・貴様が決めろ。」

「釣れないんだからなぁ、シャドウは」

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 ??? シルバー目線

「・・・ここはどこだ??」

見覚えの無い世界だ。さっきまで声が出なかったのに今は出ている。

「痛っ・・・何だ?この呪印は・・・??」

魔術で何かを封印しているみたいだ。とても厳重に封じられているが、簡単だ。

今思えば、魔術系の術がスラスラと言える。力だけ記憶があったんだ。

「・・・ブレイズブレイク!!」

「・・・!?何!?」

ある人が巻沿いを喰らったみたいだ。

「だ・・・大丈夫か??すまないな、俺が相手を確認せずに・・・」

「・・・シルバーだよね??何でここにいるの??」

「?何故俺の名前を知っているんだ?俺の事知っているのか??」

「・・・はぁー。本当に記憶を失っているんだね。私はクリミア・ミリァーナ。貴方が認めた戦術師だよ。」

「クリミア・・・か。」

「ところでさ、何故あの魔術を?貴方確か使えない魔術だよね??」

「え??何故か記憶の中にあったんだよ。魔術師じゃないのか?俺」

「・・・貴方は超能力を扱えるのよ。魔術よりも・・・ね。」

近くに本当に扱えるかどうかが分かる石があった。右手の人差し指を上に上げる。

「本当だ。これは面白いな!!」

記憶が無いからあまり分からないが、どうやら失う前より強いらしい。

「・・・教えてくれよ。俺が何者か。」

「いいよ。んじゃ、一緒に行こう」

「・・・分かった。」

何か見つかるかもしれない。俺は俺自身を知りたいんだ・・・。

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闇の住人 ??? ディア

「・・・で、どうだったんだ??」

「ハイ・・・。確かに記憶を奪う事は出来ました。ただ・・・」

「・・・?」

「急に暴れ出したんです。意識が無い筈なのに・・・。」

「まあよい。彼らを探して捕えろ。」

「ハッ」

記憶を無くして、味方につこうとする作戦は失敗した。確かに記憶・意識は失った筈だ。握り潰そうとし、彼は死んだかの様に倒れた。生の気配などしなかった。だが・・・。

(・・・彼に何があった??・・・まさか・・・ね。)

私はあの事を思い返していた。

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闇の住民 神々の神殿 ディア  

「・・・無事に倒れてくれたみたいね」

瀕死状態である彼の息を普段通りにしてあげた。捕まえるのが仕事だ。殺してはいけないのだ。かといって目覚めるような行為をしたら、とんでもない事が起こるのであくまで気絶状態にしておいた。

「ここまで来たらこちらのものだわ。確実に運べるわ・・・!!」

とはいったものの、神殿の外までは奴らは入れない。そこまで1人だ。

(ここまで結構距離あるのに何故1人でやるのよ!!)

成功すればそれなりの報酬はあるだろうと思い、私は彼を持ち、そのまま神殿の外に行った。

不思議な事に行く間に敵はいなかった。邪魔だからという理由でやっつけた者もいるが、そいゆう類では無くて、明らかに不自然な光景だった。嫌な予感しかしない空気だ。ここにいた勢力はどうしたのだろうか。

「早く出なくては・・・!!殺されるかも・・・」

ようやく着いた。ここまでにくるのに30分程経ったと思われる。それにしては敵が1人も来ない。これでなんともないじゃんと思う方がいたら早急に病院に連れて行くべきだと思う。

私の知る限りではここまで計画通りに進んでいた。だが・・・

『許せない・・・許せない。大罪の罪を背負わせたお前が許せない・・・』

大罪というのは7つの大罪の事だろうか。何の罪なのだ??

「誰だ!!出てこい!!」

『許せない。贖罪なんてしてないお前が何故ここにいる??彼と接触した色欲、報酬の為と働く強欲・・・。』

バタンという音が鳴り響く。開けようとしたが、開かない。

おまけにあちらこちらの物が浮いている。ナイフだってある。

「シルバーか!?何故だ!!意識は失っているはずだ!!」

『・・・行け!!』

気が付けば目の前にナイフが飛んでくる。ギリギリ避けれたが、それでも沢山の物がある。

(「やめろ・・・やめろよ・・・!!お前が接触すればする程精神が痛むんだよ・・・。・・・これ以上接触すれば、大変な事になる・・・!!」)

接触。精神。呪印。呪印が溶けているのかもしれないのだろうか・・・??

彼の体を見てみる。倒れているが空に飛んでいる。笑顔で笑っている。死んでるのか生きているのか分からない。

『・・・今すぐここから去れ!!そして二度とここに来るな!!!』

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闇の住民 ??? ディア

・・・。誰だったか分からない。でもあの声・彼の振る舞いを見る限り、シルバーと見ていいだろう。

「何故彼が抵抗したんだよ・・・!!」

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??? 戯言の森 シルバー

「・・・ところでさ、何故お前が俺を探してたんだ??」

空を飛びながら2人で会話をしていた。

「ウォイス様から連絡があったのよ。ソニックが何か異変に気がついたみたいでね。」

「クリミアはその仲間なのか?」

「そう。そして貴方は友人の関係にあったのよ。」

ソニック・・・ウォイス・・・顔は覚えてないが、確かソニックは音速でかけるハリネズミ、そしてウォイスは人間界の神様・・・だったと思う。

あまり覚えてないから微妙だが。

「あんな有名な奴と友達だったのか・・・」

「そうですね・・・あっ、着いたよ。」

「・・・どうやら和解したみたいだな。クリミア、お疲れ様」

「どういたしまして。」

「・・・誰だ??俺は一体何者なんだ!!」

「俺はウォイス・アイラス。・・・どうやら本当に記憶を失いるみたいだな。記憶を戻してやる・・・。」

「分かった。ウォイス、宜しく頼む。」

「・・・記憶復元!!」

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拠点破壊組 ??? ソニック

時空の歪みが止まった。

「どうやら出来たみたいだな」

全員倒れている。地震に近いからだ。

「どうやらそうみたいですね・・・ シアンさん、大丈夫ですか?」

「大丈夫にも何も・・・。」

これに関して、敵も一時退却となり、俺らも一時退却になった。

ここらへんは時空の歪みが発生しやすいのだろうか。だが、ウォイス曰く全く魔力が無い所で、魔導師としては望まれない場所らしい・・・

・・・これ以上は言わないでおこう。俺達も、彼らも、貴方も分かった筈だ。

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 ??? ??? ???

「・・・彼はどうしたんだ??」

「彼ですか?? 彼なら此処にいますが・・・」

「・・・あのふわふわとした奴が?」

そう言って彼が俺の方を向く。疑うのは当然だ。

「・・・ハイ。彼なら経験している筈です」

「全く。奴は何を考えているのやら・・・。」

彼はため息混じりの息を吐くと、彼女の方を向いた。

「魂を抜かれてしまっているので、彼が訳分からない行動を取っているという事でいいでしょうか??」

「ああ。そいつを起こせ。」

「何が起こすだって??あんたはどうなのさ??」

「・・・起きていらしゃったのですね。貴方自身大丈夫ですか??」

「大丈夫だ。たとえ彼がやろうとしても無駄。拒否しているんだし」

「・・・? 貴方は望んでいるのにですよ?」

彼女は意味を理解してなかったみたいだ。

「彼と俺は同じようで違うんだよ。人格が違うんだよ。お前なら分かると思うが」

「人格が、ですか。・・・で、どうしますか??そのまま彼の話を聞くのもよろしいかと思いますが」

いままで喋っていなかった彼が喋り始める。

「・・・では。お前はこのまま残れ。貴方が行け。」

「!? よろしいのですか?」

「ああ。彼が現れても、どのみち意味が無い。それにウォイスの件もあるしな・・・。申し訳無いが宜しく頼む」

「・・・無意識に行けばいいんですね??ならそれらしくしましょうか」

彼女はノートとペンを取り出し、何かを書き始めた。

彼女は特殊なノートとペンがあり、特殊なペンで特殊なノートで出来事などを書けば、それを実行するという能力があるらしい。その気になれば、デ○ノートみたいに殺人鬼みたいになれるし、超常現象だって起こせるのだ。

デメリットとしては、実行してる間は無防備状態になる事だろうか。だから味方しかいない、特別な場所で行っているのだ。

「ところで、どうして神であるお二人が俺を呼び寄せたのですか??過激すぎますよ、あれ」

「・・・お前は時を渡る者だ。それにお前、アレを聞いたのだろう??」

「あの予言ですか。だが、あれは・・・」

「そう、だからこうやってきたんだろう。この状態なら誰にも聞かれないからな」

「魂の状態である、貴方の姿ならー・・・」

「・・・結局俺は振られ続けるんだな。別に構わない。俺が殺されないならば・・・」

「完了したよ~。敵の軍隊として入ってるけれど、実は私達のスパイ っていう設定を書いといたよ。」

「・・・了解。上手く行ってくれよ、フォルカ・ルアナ」

「宜しく頼んだぞ、フォルカ」

「分かってますよ。貴方方も失敗しないよう、頑張ってください」

彼女、フォルカは真実の鏡を通り、見えなくなった。

残っているのは俺と彼。俺は健やかに微笑んだ。

「さて、俺達はどうしましょうか??どうせなら戻って行ってもいいのですが」

「神にでもお前がどうしろというのだ??お主、戻った所でどうするのだ??」

「・・・封印の人柱になります。肉体自体は朽ちる事は無いでしょうし」

「・・・二重空間大結界のか。あれは所有者になるんだよ、人柱が」

「そうなのか・・・。俺自身それは構わない。仮に復活の望む者がいたとしても、よっぽどの事が無い限り、それは解けない筈だ。それに・・・」

「・・・。」

「この際、神と約束するのも悪くない そう思ったんだ。ただ思ったんだ。・・・じゃあ、俺は行くぜ。」

「分かった。せめて1ついいか??」

「なんだ??」

「お前は・・・永遠を望むか??」

俺は少々考えたが、すぐに答えは出た。

「俺は・・・俺は永遠をあまり望みたくない。確かに死ぬのは怖いさ。でもさ。大切な人がいなくなるのをずっと見るのも辛いんだよ・・・。それならば、俺は死がある方がマシかな・・・」

「・・・お前は、人に優しいんだな。お前は永遠より黄泉の世界で友と笑っていたいんだな。」

「・・・行ってくる。くれぐれもこの事は言わないでくれ、ツィンク・グングリオ」

「・・・お前こそ。」

俺はそのまま真実の鏡に向かって飛んだ。

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続く。

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用語・キャラ紹介

フォルカ 本名フォルカ・ルアナ。ウォイスと共に世界を創った者の一人。特殊なノートとペンを所有しており、ノートにペンで出来事を書いた事が本当になる。ただし、実行してる間は無防備になる為、工夫が必要になる。

ツィンク 本名ツィンク・グングリオ。 ウォイスと共に世界を創った者の一人。とても優しいが、怒れば大変な事になるので注意が必要。ウォイス達が世界を創った者の中唯一動く事が出来ない神。大地を操る事が出来る。

真実の鏡 ある所にある不思議な力がある鏡。天国・地獄・前世界などの世界に行ける。これを使用する者はある事に気がついた者だけらしいが・・・。

戯言の森 ロストタワー付近にある森。魔法使いが魔法使えなく戯言を言った事から付けられたらしい。ウォイス曰く全く魔力が沸かなく、魔導師などにはとってとても大変らしい。

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現在位置。

ソニック・シアン・シャオン 敵の拠点付近『ルアナフォルテ』

シャドウ・シルバー・ウォイス・クリミア 『戯言の森』

フォルカ 不明 ツィンク 真実の鏡付近 ??? 不明

 

一応物語は続くよ。3章どころか、10章とかいっちゃいそうですw

ちなみにタイトルは闇の住人です。

 

様々な事件が沢山続き、遂には心髄にまで及んで行って、己の中でそれを重く、鋭く貫くのだ。 嘘だらけの世界で信じる事が出来るのは、己自身ただ一人。痛い思いとかしても良いんだ、嘘をつくのはもうこれで最後にしよう。だからお願い。早ク逃ゲテ。