夢想の針鼠の夢跡

物語に隠されたもう1つの物語 『過ち』を知る物語

2015-01-01から1年間の記事一覧

幻想の赤月 2-08章 Apollo

「大変です、紅月様!!ウォイスが、ウォイスが・・・ぐあぁぁ・・・」通信機から下僕の悲鳴が聞こえる。外では剣と剣が交差するあの忌まわしい音が鳴り響く。単身で奴は大群に突っ込んだ。普通ならば無茶すぎる行為であったし、我も「ついに狂ったか」と思…

幻想の赤月 2-07章 moon

~??年後~ 私はかつてこの光景を見た事があった。そう、あの時に私は確かに壊した筈だった。壊したら、とても気分が良くなった。一生辛い事は無いんだってその時は思っていた。本気だった。でも、実際の所は只の空虚でしかなかった事を今ようやく知った。…

幻想の赤月 2-06章 a venom fang

今日は雨が降っていた。そんな中でも彼の呪いは溶ける事なく、強まっていくのだ。満月にならない時でも、この状況ならなりえる状況である。しとしとと降る雨の中、彼らは不気味な空気と迫り来る恐怖を感じ取りながらも、この日はやってくる。 貴方が望んだ月…

幻想の赤月 2-05章 Identification

「ウォイスという名を久々に聞きましたよ。元気にしていらっしゃいます?」「ええ、勿論です。失礼ですが、あの方とのご関係はどうなのですか?」「元仕事仲間と言った所でしょうか。・・・王宮に住む前は教師をしていたのですよ」私は今、ウォイス様に関し…

幻想の赤月 2-04章 Bat cage

「・・・ようやく着いたぜ。カオスエメラルドの反応も全く無かったな」俺がそう口ずさむと、彼らは先の灯りを見た。此処は宗教都市で有名なアポトスである。宗教的な意味では聖地とされている事が多く、此処の人々は特定の日に祈りを捧げているらしい。此処…

幻想の赤月 2-03章 Scream

端末のインプット完了まであと20%。これが終われば、次はその周辺の端末をハッキング、情報を得る算段である。勿論、それまでに出てくる敵は一匹残らず排除する。当然のことだ。ほくそ笑んでいるのは何処の人間だ?「人間だの機械だのでどうこう言う辺、生…

日記ノ二十六ノ巻~my dreamer

風の様に自由に舞い踊る。 非日常的な日々は、いつしか日常になって、日常は非日常へと変わっていく。 私はそれで構わなかった。何度もやって慣れた事だ。 だから、牙を剥いた貴方のその姿を見ても、混乱はしない。 恐いに決まっている。命が狙われている事…

幻想の赤月 2-02章 Floating

夜中 「ちゃんと一人やっつけましたよ。・・・残念ながらそれは中心ではありませんでしたけど」「・・・本当にやったんだな、やはり凄いよ、お前は。僅か一日でそれを成し遂げるとは。心は痛まないのか?」「まさか。そうしたのは他でもない、貴方様ではない…

日記ノ二十五ノ巻~???

軋む。軋んで体が動かない。動けない。動かねば。動け。動け・・・ああ、ようやく動かせた。そうですよ、そうすれば良いのですよ。ああ私は幸せでございます。貴方様がようやくその気になったのですから。 そうと決まれば、貴方様は早速儀式をしてもらわねば…

幻想の赤月 2-01章 Justice is sometimes become evil

『訂正 朝になって気付いた事なのだが、カオスエメラルドの所在が分かっていたのは2個だ。だから、32日を5個分集めなくてはならない。最も、カオスエメラルドのみでどうにかなる様な問題では無いのだろうが・・・。とにかく、本当にすまない。謝罪とは言うの…

『ε、製造データ5』

~Heroes calendar 54 years~ 「転生って面倒だよ、だって術を用意しなきゃいけないんでしょ?しかも、その転生後の記憶もあやふやでさ。もしその後の子が嫌だって思ってしまえば、御終いだし。それでも、転生するの?」 老いぼれの女性にそう尋ねてみると…

様々な事件が沢山続き、遂には心髄にまで及んで行って、己の中でそれを重く、鋭く貫くのだ。 嘘だらけの世界で信じる事が出来るのは、己自身ただ一人。痛い思いとかしても良いんだ、嘘をつくのはもうこれで最後にしよう。だからお願い。早ク逃ゲテ。