夢想の針鼠の夢跡

物語に隠されたもう1つの物語 『過ち』を知る物語

夢想の闇夜 第1幕 第4章 ミルゥームの王子様

注意書きは省略します。

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あれらは結構前だったから覚えてない。

当時、彼には理解するのは幼すぎたのだ。だから・・・。

もしかしたら少し早く生まれていれば、あるいは出来たのかもしれない。

でも過去に過ぎた事なのだから・・・。

過去は元に戻す事は可能では無い。無理だ。

・・・ただ、彼の能力次第ではあるいは・・・・・

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あれから7年。俺は14歳となっていた。あの後俺達は王族となった。それ以来、あの国と共にこれまでよりも早いペースで、発展してきた。彼女達は全く知らない。そう知らないのだ・・・。破滅の道に歩んでいる事に。

あの時のトラウマは今も治らないままでいる。ああ、そうか。そうなるくらいならー・・・。

「この街を守らないとー。王子として・・・」

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??? ウォイス

「ここで、合ってるのか?」

「はい、ウォイス様。此処が貴方が言っていた秘密基地であります」

長い間入ってないからか、中はボロボロだった。が、家としては機能しているので掃除すればまた入れる状態になるだろう。

「ティーマ、此処どこだか覚えているよな?」

「・・・ああ、あの事ですか。」

「公の場では敬語、プライベートは普通に喋っていい」

「いいのですか?」

「親友だろ?俺達」

「・・・ハイ。そうですね!!」

中に入ってみる。予想通り汚くなっている。でも久々だからか何故か安心感があった。王子になって以来、思い出の場所というのは此処らへんだけなのだから。

「とりあえずホコリをどうにかしないとな」

とりあえずいる物といらない物に分けてみた。様々な物が出てきた。秘密基地の勲章、合言葉の紙、演奏に使ったフチィール(今で言うとフルートの様な物)やティルト(これはタンバリン)、魔道書など懐かしい気持ちになれる物が多くあった。

「久々に見た気がしますね。久々に号令かけたいな」

「あれ以来メンバーが7人になってたからな。かけてみるか。リーダーは俺だから」

【リーダーは俺だから、何かあったら言ってくれよ!】

ここら辺も思い出の1つだ。

「んじゃ、やるよ。『リーアクルック隊、集合!!』」

 

数分後、皆はやってきた。

「合言葉は?」

『皆で楽しむ明るいリーアクルック隊!!』

「大丈夫だな。久しぶりだな、ルアナ、ドゥーム、ブルック、アイン、ティーマ、ディアナ」

「あれ以来全く来てなかったね。今となっては王子様と王女様がいるものね」

「あくまで隊員として、絶対に敬語は使ってはならない、いい?」

「了解。んでどうする?」

「とりあえず、掃除しましょうよ。」

「ルアナの言う通りだな。賛成」

「よし、久々だから掃除をしようか!!」

「ハイ!」

 

その後を簡単に書こう。あの後1時間程掃除を終わった後、アインとルアナがお菓子とお茶を用意してくれたので、そのままお茶会となった。

「しかし、この国も結構変わったな」

俺が言った一言から様々な話を聞けた。

「気が付けば貴方も王子なんだもんね」

アインがそう言った。

「全く、最後に会った時はバラバラになってしまってな!!あの事件があったからだっけ?」

ドゥームが頭を抱えた。

「そうだよ。確かー・・・」

アインはそう言ったものの、何だったか忘れてしまっていたが、俺は素直に言った。

「・・・王暗殺事件と王後継か。」

「そう、それだ」

「王の暗殺・・・ねぇ」

ディアナは軽くお茶を飲んだ後、ぽつりと言った。

「・・・あれ、何だったんだろう??」

「あれ?ディアナは知らないの?」

ティーマは驚いた顔で見ていた。

「あの時幼い上、まったく分からなかったから・・・」

「そうなんだ・・・ウォイスは知ってるの?」

「・・・悪い。俺も知らないんだ」

そう言ったが実際は嘘を付いている。この事はたとえどんなに友人や恋人でさえ言わない様にしている。

 

秘密基地について言ってなかったので今言っておこう。

俺達の秘密基地はツリーハウスだ。だが、家なみの強度を持っているし雷だって大丈夫だ。これを利用して俺達は此処を使っている。

メンバーは俺入れて8人。1人は用事があって行けなかった。それぞれ1人ごとに変わった能力を持つ。メンバーは俺、ディアナ、ティーマ、アイン、ドゥーム、ルアナ、ブルック、アウリアである。俺は夢(ミルゥーム)、ディアナは現実(アリウター)、ティーマは回復(プリウト)、アインは記憶(シウトラ)、ドゥームは洗脳(ティルウス)、ルアナは変化(ガクトォーム)、ブルックは肉体(アウリアウア)、アウリアは情報(レイアナ)を操る。尚、かっこ内にあるのは俺達で呼んでる能力の名前だ。派生術(例としてティーマは修復)も可能である。全員魔導師の為、反抗すれば即倒されるのがオチとなっていた。最近入りたいと申し出る方が多くいるが、これは『特別な能力』を持つ者のみだ。魔術に入ってない能力を皆持っている。

リーダーは俺。最初ディアナとティーマだけだったが、他の友達が入ってきたのだ。そしてある所で皆で言ったら俺達に不思議な能力を得て今に至る。ただ皆は元々弱いがその能力を得ていたのでどちらかというとパワーアップである。

「まあしょうがないな。あの時僕達小さかったから」

「・・・小さかったからは言い訳に過ぎない」

ドゥームはそう言った。

「・・・言い訳か。でもあの時俺達は5~7歳だったんだぞ?深く知る訳ないじゃないか」

「それもそうだが」

「まぁまぁ、ここまでにしましょうよ・・・」

ルアナがそう言った後、その話は止まった。再開なのにこの雰囲気は困る。

「そ・・・そうだよ!!せっかくのクッキーが美味しくなくなっちゃうじゃん!!」

「!!そうだった!!確かここら辺に・・・」

ディアナは宝箱をゴソゴソと探っていた。

「やぁ!!どうだ!!」

「・・・凄く久々に見た気がする」

ディアナが作った人形だ。久々からか埃まみれになっている。だが、プリウトの能力でどうにか出来そうだ。

「ティーマ、再生術使ってくれ」

「了解!!」

ホコリまみれだったそれは綺麗に修復された。

「わぁ~!!」

「・・・久々だから、冒険でもするか」

「そう言うと思って、地図持ってきたぜ!!」

ブルックが自慢した。

「俺はドラゴンマウンテンに行きたいぜ!!」

「・・・まぁ、いいんじゃないかな?久々だから」

「アインがこんな事言うのは久々じゃない?」

「言いよったな?ルアナも結構雰囲気変わってると思うのですが?」

「おい、喧嘩はよせ」

「部外者は黙ってて!!ブルック!!」

「・・・んじゃお前らお留守番でいいか?」

「・・・。」

ドゥームが言う事はとても凄い。精神攻撃なら彼の方が実は上手いという。

「んじゃ、行くぞ」

「ハイ・・・」

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ドラゴンマウンテン ウォイス

「うわぁ~ 結構大きいですね~」

ディアナがそう言う。

久々に来たものの、やはり大きく感じる。小さい頃と比べたら少し小さくなった気がするが、それでも大きいと感じる程だ。つまり、成長しても大きく感じる程大きい谷(洞窟)なのだ。これを登ると考えると頭がクラクラする。

「・・・まあそうだな」

「つーか、お前の移動魔術で行けないのか?」

「・・・ドゥームは知らなかったっけ?僕の使う移動魔術は行った事のある所で尚且つ正確な位置を掴めてないと移動出来ないんだ」

ティーマはそう言った。此処までの道中は冒険の際に行った事のある所で行った後に少々歩いたぐらいだが、実際の所それは『ウォーミングアップ』に過ぎず、此処からが本番であるのだ。

「とりあえず奥に行ってみるか。変化(ガクトォーム)頼む」

「了解!!」

ルアナは彼女自身の能力を利用し、周りの空間を一部歪めた。

「元に戻る前に突破するぞ!!」

そのまま俺達は奥に進んだ。

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??? ???(約1億100年後)

ゆっくりと目を開けた。

・・・此処はどうやら彼の部屋の様だ・・・。

鏡に自分の顔が映る。すると明らかにおかしい動きを見せた。

『・・・これでようやく本気が出せるな』

鏡に映る自分がそう言った。

「貴方と我の能力であるアレを使えば、守護者全員を目覚めさせられる」

『まぁ、あの能力は色々と強いよな』

あの能力。それを使って守護者全員を『醒ます』のだ。

「・・・アレは恐ろしい。使い方次第では紅月にも勝るだろう?」

『絶対に捕まってたまるか・・・。それなら9人全員惜しみなく出してやる・・・』

そう言った彼は手が震えていた。おそらく被害などの方を考えて恐ろしいと考えているのだろう。

「・・・守護者達に、選ばれし者、その周りの子を同時にやるなど、出来るのか?」

『出来なくはない。ただ代償として魔力をそれなりに失うかもな』

「それなら大丈夫でしょう。紅月の魔力を奪っているのですから」

そう言うと彼は溜息をついた。

 

・・・何故、我が此処にいるかと言うと彼に単独行動をしてくれと命じられたからだ。その代わり、我と彼の持つ能力を自由に扱って良いという約束をしたのだ。つまり、ハンデを無くした様な形になった。こうすればあの世界に行けるし、何しろ『遠慮無しで戦える』のだ。100年間、ずっとずっと制御していたのだから、ようやく本気が出せるのだ。

『・・・いいだろう。だが、約束してくれ。ーあの世界『裏の世界』に影響を及ばない様にしてくれ』

それがウォイスの結論だった。裏の世界。そこはかつて裏世界のソニックが暴走し、それを止めたソニック達とウォイスが最初に会った所でもある。ただ、この事件に関してはシルバーと裏世界のシルバー(彼の発言からだと女性らしい。ただ詳しい事は聞いてない)しか詳細は知らないらしく、実際シルバー除くソニック達はこの事件の後に初めて会ったらしい。裏世界のシルバーはシルバー曰くこっちの状態があっちにも効いてるからおそらくあの時と同じ姿だろう と言っていた。

『・・・まあ、そうだろうけれど』

「・・・ところで『裏世界』って何ですか?我はその後に生まれた存在なので」

『『裏世界』というのはその名の通り、此処から反対の位置にある世界だ。んで俺達と同じ人物、とはいっても性格が違う事が多いのだがいるんだ。つまり人口は此処の世界と同じだ』

「貴方は行った事があったんでしょう?裏世界って」

『・・・行った事はある。まあお前の主人と初めて会ったのも此処だしな』

「貴方自身が常識を覆す元ですよね、大体」

『まぁ、そうだな。普通に良い所だぜ?こっちとは違った意味で良いかな。』

「・・・守護場所にありましたよね?『裏世界』の『ディファモーデ』って所が」

確か守護者の誰かの守護場所に裏世界があった筈だ。

『前の俺の守護場所だった・・・かな?裏世界に行っておけば最低1個は確実に守れるだろうと考えていたらしいが、フィートに「選ばれし者に裏世界など行けませんよ?」なんて言われて変更されたが。・・・あの時のウォイスの顔は・・・ クフフフ・・・』

「あれは従者で申し訳無いですけれど、珍しい顔でしたよね・・・。」

あの時のウォイスの顔は完全にショックの顔だった。「まじかよ・・・」と本音を口にした程なのだ。普段感情を出さない彼がこれほど感情を表に出すのはあれが初めて(私からすれば)なのだ。

『・・・とりあえず、ゆっくり様子を見よう。ウォイス達の行動もおそらく俺達を守る傾向に変わるだろう・・・』

「ウォイス様ならおそらく紅月を倒しに行くと思いますよ?」

『・・・いや、倒しに行くのは本当に最後になるだろう。それこそ最後の封印が溶けたその時だろうな。因縁を斬る意味ではまだ早い』

「とりあえず、フィート様の元へ行き、全てを話してみましょう?」

『・・・そうだな。変われ』

「了解。目を瞑って・・・」

『・・・』

「グルフェンブルクチィームチャンジ・・・」

 

「・・・これで完了、と」

『頼んだよ。好きな時に呼んで。』

「ありがとう」

我は彼の行動をゆっくり見続ける事としよう。

(我も彼の一部・・・。ならば主人格に任せましょう・・・)

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続く。

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結構古い作品と繋がってました。・・・多分1年半くらい前の物語です。ただ本編とはあんまり関係ありません。繋がっていたら読み直さないとなりませんし・・・。あと1つ言うと、字が読めません(一部)。数年前なのに何故分からないのだ!?とりあえず大体の話は掴めてるのでそこからリメイクって形かと。

あと最後の部分は月光花の別視線です。ただコレは時期が不明なので。ただ彼は震えている辺り、怖い事でもあったんでしょうね。・・・主人格という事は彼はおそらくー・・・。

何て事も考えてください。では。

 

様々な事件が沢山続き、遂には心髄にまで及んで行って、己の中でそれを重く、鋭く貫くのだ。 嘘だらけの世界で信じる事が出来るのは、己自身ただ一人。痛い思いとかしても良いんだ、嘘をつくのはもうこれで最後にしよう。だからお願い。早ク逃ゲテ。