夢想の針鼠の夢跡

物語に隠されたもう1つの物語 『過ち』を知る物語

日記シリーズ

日記ノ二十六ノ巻~my dreamer

風の様に自由に舞い踊る。 非日常的な日々は、いつしか日常になって、日常は非日常へと変わっていく。 私はそれで構わなかった。何度もやって慣れた事だ。 だから、牙を剥いた貴方のその姿を見ても、混乱はしない。 恐いに決まっている。命が狙われている事…

日記ノ二十四ノ巻~Life expectancy

ー未だに眠れない。ここ最近は全く眠れなく、今日でもう5日目だ。何の予兆なのかというとそうでもなく、全く倒れない。無理矢理生かされている様な気分だ。月明かりが良いらしく、少し冷たい光がこの部屋を照らしている。それが更に喪失感を呼び、気持ちがこ…

日記ノ二十三ノ巻~The collapse of the ego

「軍事事情は全く分からないよ。だってシャドウと違って俺は一般人だぜ?」 軍事事情。僕からすれば事件が起こった時必ずお世話になる言葉だが、彼からすれば全くその内容も分かっていないだろう。 「・・・お前はそのままで良いんだよ。軍事に関しては僕と…

日記ノ二十二ノ巻~Secret

ゲホッ、ゲホッ 最近、身体の調子が可笑しい。ボーとする。あの人らがいないから、楽には出来るんだけど。 「・・・大丈夫か?」 と、彼女はそう言って甘めの紅茶を用意してくれた。俺はありがたくそれを頂戴して、飲む。貴族の暮らしに飽き飽きとしていた彼…

日記ノ二十一ノ巻~Vide

何も感じず、何も考えず、ただただ前へ行く。真下にはランタン等の光が程よく闇と調和して、幻想的な風景を作り出している。そして真上には、この闇を白に染める雲が、私達を見下ろしている。そして、後ろには私を追う者がー。 翼は契れていても、構わない。…

日記ノ二十ノ巻~オトナシノセカイ

静寂。 此処は至ってシンプルなルールで成り立っている。難しい?そんなルールを破らなかったら良い事じゃないか。人一倍動けば認められるんじゃないの? ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「そんな事やれば、彼を守る役目はどうするのですか!?」 「…

日記ノ十九ノ巻~The past

「・・・此処は?」 「此処が、私達の住む世界ー『裏世界』よ。表世界の私」 「此処が・・・こっちはむこうと違う雰囲気持っているが、いい風景だな」 「呑気な事言ってて良いの?ソニックやシャドウがこっちのソニックとシャドウで戦っているけど」 「助け…

日記ノ十八ノ巻~Fantasy

満月の時のみ鳴り出す幻想曲。様々な可能性を奏でて、この世界を満たしていく。可能性しか奏でないから、誰かがそれを表に出して現実にしなければならない。表にどう出すか。それは皆の考え次第である。そのままその事を伝えたり、同じ音を奏でたり、絵に描…

日記ノ十七ノ巻~Victim

『神信ずる者、全てにおいて此処に落ちて逝く 罪を認めれし者、清水を飲み罪滅ぼしを得る 地獄と天国の安静を保つ為に犠牲を捧げるのだ』 古き信書には、その様な言葉が書かれていた。 この書物がまさか実在していたと気づいた時、既に遅かった。その精神は…

日記ノ十六ノ巻~Residenti delle tenebre

「うげっ・・・不気味だな」 「僕らも封印する量を見ただろう、これくらいは当然だ。・・・むしろ半減したか?」 「そうだが・・・・・・それでこの量は、ちょっと不気味だ。反撃される可能性は無いんだろ?」 『それは無いよ、この中の人達は行動はある程度…

日記ノ十四ノ巻~Al mio amore

この世界は悲しい世界だ。この草原はそれが痛い程分かるんだ。 誰もが嫌うあの悲鳴と、剣がぶつかる音が聞こえる。 嗚呼、この世界は何も変わってない。 我侭づくしの人達が醜い戦いをしているよ。貴方は其れをどう見るんだろうね? 蒼い花と紅い花、どっち…

日記ノ十三ノ巻~Scream

「どうしてこうなったの・・・」 「嘘つくな。貴様がやったのだろうに」 「私が?どうして・・・?」 「覚えてない・・・?どういう事だ」 「分からない・・・分からないよ。助けてよ、君が全てを・・・アア、助けてよ、私を」 「助けて・・・?人殺しをした…

日記ノ十二ノ巻~???

眠っている。見た感じは、だが。眠っているが、起きているんだ、多分。 多分起こそうとしたら、捕まるパターンであろう。 詳しい事は知らない。しかし、そんな気がするだけである。 やけに余裕のある空気が流れているから、尚更罠があるんじゃと思ってしまう…

日記ノ十一ノ巻~Killer smile

城の前には紅い花。闇の空には朱い星。床の下には赤い血。 全て『アカ』で彩られた此処は、綺麗だった。狂気を仰ぐのには丁度良かった。紅い目をした私は、こうして全てを『アカ』で染めるのだ。ー明るさと彩度、それぞれ違って綺麗でしょ? 今日は、自由な…

日記ノ十ノ巻~The interval of time

タッ、タッ、タッ。 「あーあ、こんなんじゃ暇でなりませんわ!!」 私、ティア・アンブラ・レヴィアは此処『アファレイド』で母に言われ、お城に連れてかれる事となっていた。 そもそも、私の家族の人は貴族であり、私はお嬢様という我侭言い放題の位にいる…

日記ノ九ノ巻~Incursioni dai ribelli

ウォイス、貴様は何を我に求めているのだ? それが、お前が望むモノならば、何故我を殺めようとしているのだ? ー解せぬ。我は一体誰であったか、忘れたのか? ・・・・・我は、ウォイスの・・・悪魔の弟子だ・・・・・・。 英雄歴0年ー冬 「紅月様、ご報告…

日記の八の巻~Moon's troubles

「ふーん、月って簡単に欠ける事出来るのね」 シルフィはそう言って、月を見上げていた。俺からすればその月は満月なのだが、彼女からすればその月は三日月なのだろう。 無理も無い。俺はあの時、月を欠けさせたのだから。実際にそうなっているのでは無い。…

日記の七の巻~Screamed with sorrows

・・・・・耳ザリだ。止めてよ・・・誰?俺の耳元で、悪魔の様な声を囁く奴は・・・。 やめてよ、嫌だよ・・・。孤独は・・・嫌ダ・・・。 「ー!!」 目が覚めた。胸元を見ても、印は見当たらない。じゃあ、あの声は・・・。 「大丈夫?シルバー、貴方悲鳴…

日記の六の巻~The eternal curse

俺はアシュアって呼ばれていた。この世界で私の名を知らぬ者は殆どいなかった。理由は、私が作ったモノが非常に人気があるからである。まあ、小説を何気に作ったのが『何故か』売れたというだけなのだが。大体若い人が読んでくれているみたいだが、俺として…

日記の五の巻~Kas ir mani?

「・・・」 『ねえ、そろそろ寝ようよ?』 「・・・嫌、まだやらなければならない事が・・・・・・」 『でもね、もう身体が限界でしょ?無茶はしないで』 「ー分かっているよ。でもね、こればっかりはやらなければならないんだ」 『あのね、それ私の身体だか…

日記の四の巻~Jouer dolls

英雄歴0年夏ー天気異変1日目夜 「・・・あーあ、つまらないなぁ」 「そんな事ウォイス様に見られたら・・・」 「良いんだよ。別に気まぐれでやっている事だしさ、バレたらその時は記憶操作すれば良いし」 「おい、主にそんな事するのか?」 「だーかーら。眠…

日記の三の巻~Nuit d'orage

闇と光は反対の意味を持つ。しかし、人によっては闇が光に、あるいはその逆になる場合がある。例えば、今日の天気が晴れだったとしよう。運動会等をやる場合は『喜び』を表せるが、長く続く晴天の場合、農家達が『困った』という感情を生むだろう。あるいは…

日記の二の巻~Mortal sin

さて、『私』が言った事を整えた所で、『ワタシ』の結論・・・というよりかは推理だけども・・・それを言おうかな。 『ワタシ』だと『私』とごちゃごちゃになっちゃうから、以後『ワタシ』はアイと言っておこうかな。 私は同一人物であり、他人でもある。そ…

日記の一の巻~My conclusion

今日も一日が終わり、今日も月がこの闇を照らすだろう。 図々しいあの声も、夜になると収まり、いつも賑やかな市場は誰もいなくなる。 そんな時間が、私にとっては狂気を仰ぐ事となるのだ。 音が消えてしまって、光も見えず、独りぼっちの世界が目の前にある…

様々な事件が沢山続き、遂には心髄にまで及んで行って、己の中でそれを重く、鋭く貫くのだ。 嘘だらけの世界で信じる事が出来るのは、己自身ただ一人。痛い思いとかしても良いんだ、嘘をつくのはもうこれで最後にしよう。だからお願い。早ク逃ゲテ。