夢想の針鼠の夢跡

物語に隠されたもう1つの物語 『過ち』を知る物語

紅月シリーズ関与作品

日記の五の巻~Kas ir mani?

「・・・」 『ねえ、そろそろ寝ようよ?』 「・・・嫌、まだやらなければならない事が・・・・・・」 『でもね、もう身体が限界でしょ?無茶はしないで』 「ー分かっているよ。でもね、こればっかりはやらなければならないんだ」 『あのね、それ私の身体だか…

日記の四の巻~Jouer dolls

英雄歴0年夏ー天気異変1日目夜 「・・・あーあ、つまらないなぁ」 「そんな事ウォイス様に見られたら・・・」 「良いんだよ。別に気まぐれでやっている事だしさ、バレたらその時は記憶操作すれば良いし」 「おい、主にそんな事するのか?」 「だーかーら。眠…

犠牲となったモノ~World wanted

空間世界に事柄を並べる。そしてその事柄の内容に誤りが無いか確認をし、あった場合は修正する。そして、それが終了したら僕はこの空間世界を飾り、その後再び『世界』を創る事となる。 僕はそんな事を繰り返し行っていた。相方であるシルバーと共に。 過ち…

日記の三の巻~Nuit d'orage

闇と光は反対の意味を持つ。しかし、人によっては闇が光に、あるいはその逆になる場合がある。例えば、今日の天気が晴れだったとしよう。運動会等をやる場合は『喜び』を表せるが、長く続く晴天の場合、農家達が『困った』という感情を生むだろう。あるいは…

日記の二の巻~Mortal sin

さて、『私』が言った事を整えた所で、『ワタシ』の結論・・・というよりかは推理だけども・・・それを言おうかな。 『ワタシ』だと『私』とごちゃごちゃになっちゃうから、以後『ワタシ』はアイと言っておこうかな。 私は同一人物であり、他人でもある。そ…

日記の一の巻~My conclusion

今日も一日が終わり、今日も月がこの闇を照らすだろう。 図々しいあの声も、夜になると収まり、いつも賑やかな市場は誰もいなくなる。 そんな時間が、私にとっては狂気を仰ぐ事となるのだ。 音が消えてしまって、光も見えず、独りぼっちの世界が目の前にある…

正体の目~The identity of the white child 後編

mental space(精神空間) 「・・・。」久々にこの空間に来た気がする。此処に行ったのはどれくらい前だったか。忘れてしまった。しかし、此処なら居ても疲れないし、むしろ疲労回復には丁度良い。・・・まあ、此処にいれば誰からも見られないというのが欠点…

正体の目~The identity of the white child 中編

ウォイスが出てくれないかと言って、3時間程経つ。未だに会話しているらしい。幸い、ガラルの肉体は出ていた為に、ガナールはガラルに縛られなくなっていた。 「・・・全く~。急にガラルって子が割り込んで来たから驚いちゃった」 「まあ、それを知らない私…

正体の目~The identity of the white child 前編

手に腕、胸に背、首や顔。様々な所に管が幾つもある。 そしてその管の集まりは巨大な丸い筒にある訳なのだが、その筒は密閉空間であり、その中に赤い『液』がある。 その中に眠っているのは白い子。 その白い子は微かに目を開いた。そして、その筒を割ろうと…

幻想の赤月 -9章 魔導師の捜索~Marionette-Welt

何度もそんな光景を見ているのだ。もういい加減にして貰いたいものだ。 もううんざりである。とっとと消えてしまえば良いではないか・・・。 私はそう思って、お前を批判した。 でも今は違うのだ。何故こんな事言ってしまったのだ・・・。 全く聞こえないの…

従者の見たセカイ~Passato crudele di scudiero

あの方の為ならば、何をしても構わない。それが例え、誰もがやりたくなかったとしても。今まで、そうやって生きてきた。 とある者が非を唱えようが、私は構わなかった。だから、私は基本嫌われていた。 唯一、相手をしてくれたのはあの人だった。あの人は私…

Inizio della follia

『不明記録~Inizio della follia』の続きです。 *********** ???(年代不明) 誰も此処に呼ぶ事なんて出来る訳無いと私を嘲り笑った。そんなの分かっているさ。大切なあの人を生き返らせる事なんて、出来る訳でもない。でも、私は絶対にあの…

幻想の赤月 -8章 王と魔導師と科学者と・・・

今回は少々グロいです。注意を。 *********** シャドウ アポトス~食事所 「ディアネス、お前はこんな所で飲んでいて良いのか?」 「ああ。今回は調査が終わったからな。お前もどうだ?」 「頂く。・・・しかし、此処は本当に不可思議な事件が多…

不明記録~Various people's thoughts

「ハァ・・・ハァ」 少年よ、何故絶望しか無い世界を受けいらないのだ? 「ー決まっているだろ、私は此処から出たい・・・出ないといけないんだ!!」 出る訳にはいかないよ。 「どうして・・・?」 ・・・ウォイス様の命令だから。 「貴様!!」 無駄だよ、…

『夢』と『現実』を司るモノの切実な願い。

夢に抱かれている俺は、現実を彷徨う。 最初の記憶を司ってみても、結構時が経っているのが実感出来る。 もう何年経つのだろうか?・・・あの異変、あの事件から。記憶が遠くなる程、俺の中に眠る、闇か光か分からない何かが込み上げてくるのだ。純情なる心…

無題~Aumentare gradualmente il

日に日に増える予定です。 *********** Day eyes 「やっ!!今日もいい天気だな~!!」 「・・・そうだな」 「もう~、もう少しノリを上げたらどうだ??ほら笑って笑って!!」 「・・・何であの時僕を助けたの?英雄だからって、あれは」 「理…

議会開始。

目の前には15名程度の魔導師がいる。 ウォイス、シャオン、シアン・・・その他諸々名のある魔導師がいた。 現在午後10時34分。俺もその1人としてこの部屋に入った。 周りを見ても相当強いのが、俺でも何となく分かった。おそらく半分の人がアーチメイジなの…

不明記録~Inizio della follia

英雄歴100年ー真実と矛盾の狭間 貴方が望む結末。 私が望む結末。 君が望む結末。 黒幕が望む結末。 お前が望む結末。 誰もが望む結末が一緒な訳が無い。 選択肢なんて幾らでもあるモノだ。 そして皆自身が望む結末へ導こうとする。 無論、私もそうだ。 でも…

無題~Controlling emotions

私はあの時に来た時は魅力に溢れた街だった。探し彷徨う放浪の旅の中で見つけた希望。もしかしたらこれが私が夢見る世界だったのかもしれないと思った。全てを包む、白くて儚い光。人々が笑い合う日常。私が思い描いた世界に似ていた。 真実を知った私は、今…

幻想の赤月 -7章 2/2 神秘たる存在~Sacred Prince

ルナ ??? 「まだなのか、ルナ」 「悪いな・・・一部の『Other half』は逃げてしまって」 「まあ仕方の無いだろうな。流石にお前がそんな事に目覚めたら皆不気味に思われる」 「ー問題は・・・ルファーが事情を知った状態で脱走した事」 「・・・・・・ガ…

幻想の赤月 -7章 1/2 神秘たる存在~Sacred Prince

全ての人々に捧げよう。ー神に祈る者に、神秘たる現象を・・・。 永久(とわ)に咲き続ける蒼い薔薇と朱い薔薇。 2つの花は周りの花よりも美しく、儚い。 それを抗う者よ、何故私の命令に歯向かうのだ? 歯向かう者は許されない罪だ。 ー神に逆らう者に勝る…

幻想の赤月 第?幕 +1章  光の行方

英雄歴0年ー夏、0日目(夜) ??? ??? 満月の時が来る2日前の夜。 1人の少年と1人の魔導師がとある場所で話をしていた。 「・・・そう」 少年はそう言って、スタンドグラスを見る。蒼い光が彼の身体を覆っていた。一方魔導師は少年を見ていた。 「・・…

夢想の闇夜 第3幕 1章 少女鈴吹雪~to know the past (しょうじょりんすいせつ)

1つの過去を思い描く。私の過去は結構古い。というのも私は元々『人間』では無かった。寿命も当然長かったから、その分過去を多く持っているんだ。君からすれば大した事では無いかもしれないけれどね。そう、私がどうして『人間』になったか。そこら辺説明し…

???

こんなんだったら、いっそ捨てれば良いんじゃない?そんな声が聞こえる。 「煩いなぁ」 軽くそう言うものの、私がそんな簡単に君を切り離す事など出来なかった。私が分かっている範囲はとても小さかった。目覚めた時には私に似た印象を持つ君がいたんだ。い…

幻想の赤月 -6章 Non posso dire che io sto piangendo

シルバー ロストタワー頂上 「レヴィアーデンの魔術、お前らの記憶に刻み込めてやる・・・。闇暗水影ー」 ウォイスは唱えると、手を地面に置いた。そして大きな魔法陣が現れ、端の円には闇属性であろう蛇の様な物が現れた。 「ダークネスシャドウ・・・。地…

再開収録本~Demande d'ami

「お前は一体何者だ?」 そんな事言われ続け、どれくらい経ったのだろうか?友人は皆朽ちていくが、私は全く朽ちた感覚も無かった。友人はこれを「目的の為にこうなったんだね、可哀想だな」と言っていた。いつの間にか友人は成長していて、私よりも大人っぽ…

不明記録~The warding magic

君の声が聞こえる。笑顔で笑う。俺は種の気配を感じていた。 俺の役目は『種』を目覚めさない事。 壊しても良かったのだが、俺はそんな簡単には壊さない。壊したくない。 今夜、君の記憶を『全て』取って偽りの記憶を植え付ける作業を行う。この範囲は君を知…

幻想の赤月 -5章 It does not settle down!

シャドウ クロノス都市~とあるカフェ 「・・・おい、何だこの騒ぎは」 「知らないけれど、多分俺達の事を英雄だと思われてるんだと思う・・・」 僕が尋ねてみると、シルバーはそれに答えた。どう見てもこの人数は尋常ではないだろう。何しろあまりにも多く…

無題

『それ』を作るのなら何かを失う必要があった。 私はそれを理解するのには無理があった。時間と共に『それ』は消えてゆく。 私は探さないとならない。だからやる必要があるのだ。 『それ』がそんな事を知る由など何処にも無い。 それを知っている人など何処…

夢想の闇夜 第2~3幕 0.5章 Along with the sound playing~奏でる音色と共に

英雄歴100年 ??? ??? 遠い遠い過去の話をしようか。星が沢山輝く夜空に下弦の月が照らすこんな風景なら、こんな過去を話した方が雰囲気が良いから。 思い出してみて。君は昔々こんな事をしていたとー。 ・・・君は思い浮かべた?僕?僕はそんなに良い…

様々な事件が沢山続き、遂には心髄にまで及んで行って、己の中でそれを重く、鋭く貫くのだ。 嘘だらけの世界で信じる事が出来るのは、己自身ただ一人。痛い思いとかしても良いんだ、嘘をつくのはもうこれで最後にしよう。だからお願い。早ク逃ゲテ。